日中国交正常化50周年を記念し、広州市で大湾区企業家サミット開催
(中国、香港、日本)
広州発
2022年10月13日
日中国交正常化50周年を記念した「大湾区(注)企業家サミット」が9月29日、在広州日本総領事館と粤港澳大湾区企業家連盟、広州日本商工会の主催により、広東省広州市で開催された。同サミットは日中企業間の協力関係強化を目的とし、同企業家連盟の会長企業を務める新華集団の蔡展思総裁をはじめ、広東省や香港、マカオの現地企業や進出日系企業関係者ら約200人が参加した。
サミットでは、中国企業の大湾区でのビジネスの取り組みが紹介された。農業用ドローン開発大手の極飛科技(XAG、本拠地:広州市)はドローンを活用した農業のIT化や、省人化への取り組みを紹介。今後は日本での製品普及についても意欲を示した。自動運転技術を開発するスタートアップ企業の文遠知行(WeRide、本拠地:広州市)は自社の自動運転に対する取り組みや無人タクシーの商用化について説明。同社の張力最高執行責任者(COO)は、中国の自動運転市場は今後最大6,400億ドル規模まで拡大するとの見方を示した。
「大湾区のイノベーションエコシステム」や「カーボンニュートラルに向けた日中企業連携」をテーマとしたパネルディスカッションも行われた。日中の企業関係者5人が登壇し、ジェトロがモデレーターを務めた。深セン市でスタートアップ企業の支援を行う深セン清華大学研究院の王羽主任は、大湾区の特徴として各都市で分業化が進んでいる点を強調したほか、三菱商事(広州)の張月華総経理は、国家戦略によるイノベーションの実施が大湾区の強みと述べた。激化する人材の獲得競争について、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)広州の吉田将史・華南エリア統括パートナーは、大湾区内の境界をまたぐヒト・モノ・カネの動きの流動化の必要性や、デジタル人材育成の必要性に言及した。
カーボンニュートラルに関する日中間の企業連携の事例では、張総経理から北京市などで進めているバッテリーのリサイクル事業を紹介。将来的なカーボンリサイクル事業の展開にも意欲を示した。
パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)
(注)広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)を指す。
(田中琳大郎)
(中国、香港、日本)
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