重慶市、世界レベルの新エネルギーコネクテッドカー産業の集積を目指す

(中国)

成都発

2022年09月20日

中国・重慶市政府は9月8日、「重慶市世界レベル新エネルギーコネクテッドカー産業クラスターの建設に関する規画(2022~30年)」(以下、規画)を公開した。規画では、2025年までに中国で新エネルギーコネクテッドカー(注)の販売台数のうち、重慶市での製造割合を10%以上にする予定。2030年には、一流の新エネルギーコネクテッドカー企業を1~2社育成し、先端技術を有する部品企業を集積させ、新エネルギーコネクテッドカー産業クラスターを形成するなどの目標を掲げた。

規画によると、重慶市には自動車産業企業が数多く集積しており、長安汽車のほか、自動車部品製造企業は1,000社を超えるという。同市では近年、新エネルギーコネクテッドカーの生産・販売台数が大幅に増加しており、駆動システム、燃料電池、電子制御システムなどコア電子部品製造企業も集積させながら、インテリジェント化、ネットワーク化、新エネルギー化などを通じ、従来の伝統的な自動車製造業のグレードアップを推進する。

重慶市は新エネルギーコネクテッドカー産業の育成に積極的に取り組んでおり、完成車メーカーがインターネット企業や通信機器メーカーと提携する例も多く見られる。中国通信機器大手の華為技術(以下、ファーウェイ)は長安汽車集団傘下の電気自動車メーカーの阿維塔科技重慶と提携、ファーウェイ開発の車載システムを搭載した車種「AVATA11」を2022年8月に発売開始した。また、重慶小康工業集団の子会社である賽力斯汽車も、ファーウェイと共にスマートドライブシステムの実装を推進しており、共同で開発された車種「AITO」が2022年内に発売される予定。

重慶市経済・情報化委員会の王春水副主任は「長安汽車、賽力斯汽車などの完成車メーカーによる新エネルギーコネクテッドカーの開発を政府が積極的に支援し、国内外の完成車メーカー、部品企業、ソフトウエア企業などを重慶市に誘致する」と述べた。

(注)コネクテッドカーとは、インターネットの通信機能を備えた自動車を指す。

(王植一)

(中国)

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