成都市で新型コロナ新規感染者が4日連続で100人超
(中国)
成都発
2022年09月02日
中国四川省成都市で、新型コロナウイルスの感染者が過去最大規模で急増している。成都市では過去にも一定規模の感染拡大と収束を繰り返してきたが、1日当たりの新規市中感染者数はこれまで40人を超えることはなかった。
今回の感染拡大では、新規感染者数が8月23日ごろから徐々に増加し、28日に134人となり、1日当たりの新規感染者としては初めて100人を超えた。以後、29日に141人、30日に138人、31日に106人と4日連続で100人を超えた。8月31日に中国全土で発見された新規市中感染者は307人、うち132人の四川省が全中国の半数近くを占める状況だ(なお、重慶市は8人)。
成都市では8月31日時点で、665人が隔離治療中、293人が無症状感染者で集中隔離・医学観察となっている。また、成都市内では、「高リスク地区(自宅からの外出禁止)」が198カ所、「中リスク地区(外出に一部制限あり)」が183カ所と、大規模になっている。
成都市政府は今回の感染拡大を受け、8月30日夜半に、市内のオフィスビル、商業施設、公共施設などで、入館の際に24時間以内または48時間以内のPCR検査陰性証明の提示を求めるなどの通達を、また感染拡大の規模が大きい錦江区と高新区では、全ての飲食店に店内飲食を禁止する措置を発表した。
さらに、成都市政府は9月1日午後6時から、全市民は原則自宅からの外出を不可とする、事実上の都市封鎖に準じた通達を出した。この通達では、市民生活のためのライフライン維持の公共サービス関連企業、食料品取り扱い企業などは、例外として出勤のための外出は許可される。一般市民は、24時間以内のPCR検査陰性証明書があれば、1家庭につき1人が1日1回に限って生活物資購入のための外出が可能だ。2022年春先に2カ月近く実施された、上海市の大規模都市封鎖の際は、当初の措置が徐々に厳格化されたという記憶が成都市民にも残っているため、当該通達が発表された9月1日午前11時過ぎから、主要スーパーマーケットなどには食料品や生活必需品を大量に買い求める市民が殺到している(9月1日午後2時現在)。なお、9月1日から4日にかけて、全市民を対象にPCR検査が実施される。
(森永正裕)
(中国)
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