武漢からモスクワへの茶葉輸出専用列車が運行開始

(中国、ロシア)

武漢発

2022年09月05日

中国・湖北省産の茶葉をロシアへ輸出するための専用列車の運行が826日、開始された。この列車は、武漢中央駅からモスクワまで、2週間以内で輸送することが可能となっている。第1号となる列車には、50コンテナ、約1,000トンの湖北省産の茶葉が搭載された(「人民網」826日)。

茶葉の加工や販売を行う湖北孝感紅貢茶の湯梅市場部経理によると、今までロシアに茶葉を輸出する際は海上輸送で輸出していたため、最低でも23カ月を要していたのに加え、輸送できる量も限られていたという(「湖北新聞」826日)。今回の専用列車の運行開始により、輸送時間が大幅に短縮された。

湖北省農業農村庁は専用列車の運行開始について、「中国とロシアの間の互恵関係における新たなページを切り開いた。湖北省農業農村部門の主導で機先を制し、湖北省の茶葉輸出を新たなステップに進める具体的な行動を展開した」としている。

ロシアでも受け入れられる中国茶

湖北省農業農村庁は、湖北省は農業も盛んで、茶葉の栽培においては世界から認められる良質な茶の生産地、と述べている。

20226月末時点で、湖北省の茶畑の面積は5506,000ムー(注)と全国4位だったほか、茶葉輸出額も全国4位だった。さらに、近年、湖北省の茶葉生産に適した気候である特性を生かして、茶関連産業のサプライチェーン構築が加速している(「湖北日報」826日)。

中国茶は、ロシアでも受け入れられるようになってきているという。ロシア連邦駐中華人民共和国商務代表処のアレクセイ・ダフノフスキ代表は「ロシアにおける中国からの茶葉輸入量は毎年増え続けており、2021年には約15,000トンとなった。近年、ロシアの消費者は伝統的な紅茶を愛飲しているだけでなく、龍井茶、鉄観音茶、プーアル茶なども受け入れるようになっている」と、専用列車の運行を祝したイベントでコメントしている。

(注)1ムー=666.7平方メートル。

(楢橋広基)

(中国、ロシア)

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