商品バランスシステム、品目数の一部変更の告知

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年09月27日

インドネシア経済調整府は9月19日、「商品バランスシステム(SINAS-NK)」についての説明会を開催した。

商品バランスとは、一定期間の国内需要と国内外の供給の情報を記載した情報データのことだ。商品バランスシステム導入の目的としては、輸出入における許可の簡素化と透明化、輸出入政策の基本資料、投資事業や雇用の確実性の担保、工業利用のための原材料や補助材の在庫保証などが挙げられる(2022年8月16日記事参照)。

商品バランスシステムに関する輸出入の制度について定めた大統領規程2022年32号第29条PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2021年に商品バランスが決定され2022年に導入される品目は、コメ、砂糖、牛肉、塩、魚類の5グループ。2022年に商品バランスが決定され2023年に導入される品目は別途、制定予定としていた。

説明会では、2023年に商品バランスシステムが導入される品目を19グループに限定することが発表された。残りの32グループ決定・導入時期については言及がなかった。なお、鉄鋼、繊維、電気、潤滑油など重要品目は、2023年導入の19グループの中に入っている〔添付資料「表1 商品バランスシステムフェーズIIで、商品バランスが導入される19の商品グループ」,「表2 商品バランスシステムフェーズIII(2023年)で、商品バランスを導入予定の32の商品グループ」参照〕。

大統領規程2022年第32号には、今後の手続きに関する2022年内の日程として、(1)需要提案の申請:2022年9月、(2)需要計画の決定:2022年10月、(3)供給計画の決定:2022年10月、(4)商品バランスの決定:2022年12月第1週と記載されている(2022年8月16日記事参照)。ナショナルシングルウィンドウシステム(SINSW)上での需要提案の申請期限は9月末までとなっているが、今般SINSWによる申請手続きができない状態が続いていた。9月19日になって入力が可能となったが、需要申請を9月末までに完了させられるかという懸念が日系企業間で発生している。大統領規程からは、需要、供給、輸入申請のタイムラインを守らなかった場合、2023年の1年間は輸入許可がでない事態が想定されるためだ。

SINSWは新規に導入されたシステムのため、申請がスムーズに進まない事態が発生しているもようで、今後も運用面で変化が起きる可能性があるので注視する必要がある。ジェトロとしても、重要な変更点があるたびにビジネス短信で発表していく所存だ。

なお、インドネシア政府は経済調整府のほか、エネルギー・鉱物資源省や工業省などが商品バランスシステムに関する説明会を実施している。各省庁の説明会は、以下のSNS公式アカウントから確認できる。各省庁の説明資料の入手を希望される場合は、ジェトロ・ジャカルタ事務所までご連絡いただきたい。

〇経済調整大臣府による商品バランスシステムについてのソーシャリゼーション

動画配信URL:https://www.youtube.com/watch?v=qqAUUaWrlII外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

〇エネルギー鉱物資源省(ESDM)による説明会

動画配信URL:https://youtu.be/E7GckpQNsRk外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

〇工業省金属・機械・輸送機器・電子総局(ILMATE)による説明会

1.鋼、合金鋼およびその派生製品

動画配信URL:https://www.youtube.com/watch?v=a7gHWjd49Yw外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

1. API-U向け

動画配信URL:https://www.youtube.com/watch?v=7GSc4k6L-VE外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(中沢稔、尾崎航、ティアラ・ダルマシャンティ)

(インドネシア)

ビジネス短信 e56f05cf8089e329