ジェトロ、ジャパンジュエリーフェアでライブ配信実施、延べ3万人超が視聴

(世界、中国、香港、東京)

海外市場開拓課

2022年09月15日

東京ビッグサイトで831日から92日、日本最大級のジュエリーフェア「ジャパンジュエリーフェア」(JJF)が開催された。3年ぶりの東京開催となった今回、3日間で11,201人が来場し、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって山梨県で開催された前年度の来場者数5,916人を大きく上回った。しかし、渡航制限などの影響で海外からの来場者数は依然として少ない。

ジュエリー業界では、海外向け売り上げの大部分に寄与していた香港のジュエリーショーなどへの出展が新型コロナウイルス感染拡大の影響で難しくなったことや、国内展示会への海外バイヤーの来場が困難になったことをきっかけに、海外向けビジネスの方針転換を余儀なくされた。多くの企業は、既存顧客への売り上げの拡大に加え、ライブ配信を通じて本国への販売を行う在日中国人・フィリピン人などの個人バイヤーへの売り上げを増加させることで、失った香港のジュエリーショーなどでの売り上げをカバーしている。しかし、長引く新型コロナ禍で、新規の大口の海外販路開拓の必要性を求める声は多い。

B2B向けの販路開拓にライブ配信活用

ジェトロはJJFのサイドイベントとして、JJF主催者のインフォーママーケッツジャパンの協力の下、中国のバイヤーを主なターゲットとして商品の紹介を行うライブ配信を実施した。JJF出展企業258社のうち19社が自社の商品を中国語で紹介し、延べ33,000人が視聴した。

新型コロナ禍でのジュエリー業界の課題を踏まえ、ジェトロは、これまで主にB2C向けツールとして中国で急速に普及してきたライブ配信をB2B向けの新たな販路開拓ツールとして利用する狙いで、ライブ配信イベントを実施した。3万人超の視聴者が集まったことから、日本のジュエリーに対する中国のバイヤーの関心が依然として高いことが見て取れる。参加企業のうちの1社は、ライブ配信の視聴者と参加企業が参加するSNSグループを通じた引き合いにより、既に1,000万円程度の取引を成約させたという。各参加企業は引き続き、視聴者のバイヤーとの関係構築を行い、追加の商談を行っていく予定だ。

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

写真 ライブ配信の様子(ジェトロ撮影)

ライブ配信の様子(ジェトロ撮影)

(薄木裕也)

(世界、中国、香港、東京)

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