8月の米消費者物価、前年同月比8.3%上昇で伸び鈍化、コア指数は6.3%で伸び加速

(米国)

ニューヨーク発

2022年09月14日

米国労働省が9月13日に発表した8月の消費者物価指数(CPI)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は前年同月比8.3%上昇で、前月の同8.5%上昇から減速したものの、民間予想の8.0%上昇を上回った。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は同6.3%上昇で、前月の5.9%上昇から伸びが加速し、民間予想(6.0%上昇)も上回った。前月比ではCPIは0.1%上昇、コア指数は0.6%上昇で、前月のそれぞれ0.0%、0.3%上昇から伸びが加速した。民間予想はそれぞれ0.1%低下、0.3%上昇だった(添付資料表、図参照)。

品目別に前年同月比で見ると、ガソリンは25.6%上昇(前月44.0%上昇)と伸びが鈍化し、前月比でも10.6%減少となった。一方、食料品は11.4%上昇(前月10.9%上昇)と4カ月連続の2桁台の伸びで、特に家庭用食品が13.5%上昇(前月13.1%上昇)と伸びが加速した。財は7.1%上昇(前月7.0%上昇)と伸びがわずかに加速した。うち中古車は7.8%上昇(前月6.6%上昇)と6カ月ぶりに伸びが加速し、前月比では0.1%減少したが、その低下ペースは鈍化した(前月0.4%減少)。新車は10.1%上昇と4カ月連続で伸びが鈍化しているが、前月比では0.8%上昇と、前月(0.6%上昇)から伸びが加速した。サービスは6.1%上昇(前月5.5%上昇)と伸びが加速、特に物価全体の3割強のウエートを占める住居費が6.2%(前月5.7%上昇)と上昇に寄与した。

8月のCPIは、ガソリンなどエネルギー価格がインフレを鈍化させている一方、食料品などは引き続き上昇傾向にあるといった状況は変わっていない。7月から伸びが鈍化したが、財価格は伸びが再び加速しており、全体の鈍化ペースは低下している。サービス価格も急上昇しており、特に住居費の伸びの加速が目立つ。前年の住宅価格は約20%上昇と過去最高の伸びを記録しているが(2022年5月9日付地域・分析レポート記事参照)、賃料などは住宅価格の上昇にタイムラグを伴って連動する特徴があることから、その影響がさらに顕在化している可能性がある。また、住居費はいったん上昇すると低下しにくい特徴があるが、アトランタ連邦準備銀行がCPIの公表後に発表している、価格変化が緩やかな品目のみを集計した粘着性CPI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、8月は前年同月比6.1%と上昇が続いており、高インフレの長期化が示唆されている。

インフレ抑制を急ぐ連邦準備制度理事会(FRB)による次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は9月20、21日に開かれる。CPI発表前は、政策金利引き上げ幅を3会合連続の0.75ポイントと予想する声が大勢だったが、今回の発表を経て1.0ポイント上昇という予想も出始めている。今後の金利引き上げペースと経済の先行きについて、ジェローム・パウエルFRB議長が市場にどのような発信を行うか注目が集まる。

(宮野慶太)

(米国)

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