北京市、「高齢社会」に突入、高齢者のデジタル活用支援活動を展開

(中国)

北京発

2022年09月12日

北京市の老齢工作委員会弁公室と老齢協会は92日、同市の中国国際サービス貿易交易会で開催された「2022年スマート・ウェルネス・サミットフォーラム」で、「北京市老齢事業発展報告(2021)」を発表した。

報告によると、2021年末時点で同市の常住人口に占める60歳以上の割合は20.2%(442万人)、65歳以上は14.2%(312万人)。世界保健機関(WHO)の定義では、高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%超は「高齢社会」と呼ぶことから、北京市は「高齢社会」の段階に入った。

中国国務院が20222月に発表した「第145カ年(20212025年)規画期間の国家高齢者事業の発展と養老サービス体系に関する規画」では、高齢者向けサービスの供給拡大やハイテク技術を導入した商品開発の強化などを盛り込んだ(2022年3月4日記事参照)。一方で、高齢化の進展に伴い、高齢者のデジタル活用に対する支援が急務となっている。

新型コロナウイルス感染拡大を契機に、従来は対面を前提としていたコミュニケーションやサービスのオンライン化が急速に進んでいる。日常生活で「健康コード」(注1)の提示や診療のオンライン予約などが必要となっており、多くの高齢者にとってスマートフォン操作の習熟が課題となっている。

上述のフォーラムでは、北京貝壳公益基金会(注2)の侯文静秘書長が、同基金会が実施している「私がスマートフォンの使い方を教えます」という名称のプロジェクトを紹介した。これは大手不動産仲介企業のホームリンク(鏈家)グループが展開して各地の店舗で行っている無料の講習会で、スタッフが11で高齢者向けにスマートフォンの機能を教えるというもの。講習の内容は、キャッシュレス決済や光熱費の支払い、ネットショッピングなど、日常生活に必要となる基本的な機能から、マップナビゲーション、映画鑑賞、動画編集、SNSの投稿、旅行ツアーの申し込みなど、高齢者のニーズに応えるものとなっている。また、ネット詐欺の被害を回避するアプリの利用方法をまとめた対策マニュアルなども公開している。同プロジェクトは2019年に始まり、20226月末までに49都市2,900の社区(コミュニティー)で実施され、累計で40万人超の高齢者が受講した。

(注1)登録者が新型コロナウイルスに感染しているリスクを「緑」「黄色」「赤」の3色のQRコードで示すスマートフォンの健康管理アプリ。商業施設やオフィス、病院への入場時をはじめ、電車やバスなどの公共交通機関の利用時などに提示が求められる。

(注2)北京貝壳公益基金会は、大手不動産仲介会社のホームリンク(鏈家)グループが運営する不動産情報サイト「貝壳找房」を通じて2000年に北京で設立した社会公益組織で、主にコミュニティーの問題解決に向けた慈善活動を展開している。

(張敏)

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