IMF支援再開を受け、格付け評価が改善

(モザンビーク)

マプト発

2022年09月15日

大手格付け会社のフィッチ・レーティングスは8月26日、モザンビークの長期外貨建て債務発行体格付けを「CCC」から「CCC+」に格上げした。同社はその理由として、IMFが3年間で総額約4億5,600万ドルのモザンビークへの財政支援再開を承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(2022年4月6日記事参照)ことを挙げている。今後、他の国際機関やドナー国の財政支援も再開される見通しで、フィッチは、非開示債務問題が発覚した2016年以降続いていた同国の外部資金調達の困難さが解消されると予想している。また、IMFの対モザンビーク支援には、同国の歳入や経済成長推進の改善プログラムも伴っており、債務削減と財政健全化にもつながると評価している。

同社はモザンビークの実質経済成長率について、エリア4天然ガスプロジェクトの生産と輸出開始(2022年7月5日記事参照)を主因として、2023年に5.5%、2024年に7.7%と中期的に上昇すると予測している。さらに、治安問題で停止中のエリア1天然ガスプロジェクトが再開された場合は、この見通しがより現実的なものになるとしている。

「CCC」カテゴリーは、依然としてデフォルトリスクが非常に高いことを示している。フィッチによると、格付けの決定には1人当たりGDPの低さや治安情勢、自然災害に対する弱さなども反映している。また、上述のエリア4天然ガスプロジェクトの本格始動により短期的に輸入が増加するため、経常赤字の拡大と外貨準備高の減少が発生すると指摘している。

フィッチと並ぶ大手格付け機関のムーディーズは3月、モザンビークの格付けをCaa2(安全性が低く、信用リスクが極めて高い)としている。スタンダード・アンド・プアーズは2020年以来「CCC+」(債務履行が良好なビジネス環境、財務・経済環境に依存)としている。

(松永篤)

(モザンビーク)

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