米商務省、中ロ向け半導体輸出に新たな輸出管理規則を導入か、エヌビディアが文書提出

(米国、中国、ロシア)

ニューヨーク発

2022年09月05日

米国の半導体大手エヌビディアが8月26日に証券取引委員会(SECへ提出した文書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、米国商務省は米国製の一部半導体を中国(香港を含む)とロシアに輸出する際に事前の許可申請を義務付ける新たな規則を導入した。

商務省から新規則に関する正式な発表はないものの、エヌビディアの文書によると、同社にとって新たな規則の対象となる半導体製品は、画像処理半導体の「A100」と今後投入予定の「H100」で、主にデータセンター向けの人工知能(AI)演算などに使われる。商務省からは、これらの製品が軍事用途に使われる、または転用されるリスクがあると説明されたようだ。同社はこれまで「A100」を中国テック大手のアリババやテンセント、百度などに供給している(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版92日)。同社の2022年第3四半期(79月)の見通しの中には、新規則の対象となる半導体製品の売り上げとして約4億ドルが含まれているとされる。ロイター(831日)によると、米半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も商務省から同様の通知を受けたことを明かしている。同社の場合も、対象はAI技術用の「MI250」と呼ばれる半導体だが、事業に大きな影響は与えない見込みだとしている。

商務省、国内半導体産業の支援策に関するパブコメ結果公表

バイデン政権はこのように、半導体をめぐる中国との技術覇権争いに本腰を入れ始めている。米国製品の流出を防ぐだけでなく、8月に成立した「CHIPSおよび科学(CHIPSプラス)法(H.R.4346外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」(2022年8月10日記事参照)による国内の半導体産業の振興についても準備を進めている。商務省は91日、202213月に募集していた半導体産業支援策に関するパブリックコメントの要旨をまとめた報告書を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(2022年1月26日記事参照)。250以上のコメントがあり、先端技術だけでなく成熟技術も含めた幅広い技術を支援すべきという声や、半導体関連産業全体の人材育成の重要性の指摘が多かったようだ。商務省は今後、パブリックコメントを参考にしながら、政権内に創設した省庁横断のCHIPSプラス法の運営委員会(2022年8月26日記事参照)で支援策の設計・運用を検討していくとみられる。同省は数週間以内に、CHIPSプログラム室に関する戦略を公表する予定だ。

(磯部真一)

(米国、中国、ロシア)

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