上海市、水素エネルギー産業発展促進策を発表

(中国)

上海発

2022年09月06日

上海市の発展改革委員会や経済信息化委員会など10部門は826日、同市と自由貿易試験区にある臨港新エリアの水素エネルギー産業の発展を目標に、18項目の政策措置を発表した。

今回発表した政策措置は、コア技術の攻略や、産業集積の発展、応用モデルの拡大、インフラ建設の整備や技術サービスプラットーフォームの構築などで支援を行うほか、同自由貿易試験区にある「中日(上海)地方発展協力モデル区」(注)の建設に注力するなどの計画を示した。

具体的には、燃料電池自動車(FCV)の応用モデル効果を高めるために、通勤バス、建築廃材を運ぶダンプカー、港で使うコンテナ車のような特殊車両を対象に、FCVの応用を拡大する。また、洋上風力発電での水素製造技術を研究し、水素企業やエネルギー企業間の技術連携を進める。太陽光エネルギーを利用するソーラー水素の活用の推進ほか、再生可能エネルギーからグリーン水素を製造する技術も研究する。

近年、水素エネルギー産業を発展させるため、国家レベルの促進策も発表された。水素エネルギー産業発展中長期規画(20212035年)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」、上海市発展改革委員会が6月に「上海市水素エネルギー産業発展中長期規画(2022~2035年)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した。上海市の規画によると、同市は2025年までに水素ステーション70カ所を増設し、FCVの保有台数を1万台以上に、交通分野だけで年間510万トンの二酸化炭素排出の削減目標を設定している(2022年6月29日記事参照)。

(注)2020724日に上海自由貿易試験区臨港新エリアで設立された、水素エネルギー産業分野で日本と中国の有力企業の技術連携促進などを目的としたモデル区。

(龐婷婷)

(中国)

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