産業技術保護委員会を開催、バッテリー技術の海外輸出を不承認

(韓国)

ソウル発

2022年09月22日

韓国産業通商資源部は914日、「産業技術の流出防止および保護に関する法律」第7条に基づく産業技術保護委員会を開催し、同法で指定する国家核心技術(注)の輸出承認などの議案を審議した。輸出等承認案件は、(1)自動車分野(輸出承認)、(2)鉄鋼分野(条件付き輸出承認)、(3)造船分野(条件付き海外M&A承認)、(4)電気電子分野(輸出不承認)の4件だ。自動車、鉄鋼および造船の申請案件は、技術流出の恐れが低く、国内産業に及ぼす影響が少ないと判断した。また、技術保護に対する措置が十分であるため、原案どおり承認と議決した。

電気電子分野については、輸出不承認と議決した。理由として、バッテリー産業の根幹となる最先端技術で、海外流出時に国内産業競争力と国家安全保障に否定的な影響を及ぼす可能性があることを挙げた。そのほか、技術移転の具体的な事由がないこと、技術保護・技術流出防止対策が不足していることを指摘した。

「韓国経済新聞」(914日)によると、各分野の詳細は次のとおり。自動車分野は、自動運転車用のカメラ・レーダーなどの納品技術資料として提供され、鉄鋼分野は、国際フォーラムでのカーボンニュートラル技術に関する発表資料として輸出される。造船分野は、液化ガス圧力容器に関する海外M&A、不承認となった電気電子分野は、国内のバッテリー関連企業が米国で正極材工場を建設する案件だった。

(注)国内外の市場における価値が高く、海外流出の際に安全保障、経済に悪影響を及ぼす可能性があり、同法で指定・告示された技術。20217月時点で12分野73技術を指定、管理(指定技術の一覧は、2022530日付地域・分析レポートの「表1」を参照)。

(当間正明)

(韓国)

ビジネス短信 a48bd6d2fa7d3aac