ウズベキスタンと中国、化学や通信分野などで協力

(ウズベキスタン、中国)

タシケント発

2022年09月29日

ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は915日、上海協力機構(SCO)首脳会議出席のためウズベキスタンを訪問した中国の習近平国家主席と会談した。両国は共同声明のほか、鉱物探査やデジタル経済、グリーン開発などの分野の協力に関する覚書など15の文書に署名した。

協力に合意したプロジェクトの事業総額は150億ドルとされる。うち最大のものはウズベキスタン化学産業公社と中国化学工程(CNCEC)との間で締結した契約金額80億ドルの事業だ。国外で需要が高い生分解性ポリマー、アンモニア、尿素など、ウズベキスタンで産出する天然ガスを原料とした化学品の製造や、メタノールからのMTO技術によるオレフィン製造とMTP技術によるプロピレン製造(注1)などの案件が報じられている(国営通信社UZA915日、注2)。

通信分野では、ウズベキスタン通信大手ウズベクテレコムと中国の通信機器メーカーの華為技術(ファーウェイ)、中興通訊(ZTE)との間で、タシケントと地方都市の第5世代移動通信システム(5G)基地局の設置、国際高速道路や鉄道路線での高速モバイルインターネットアクセスなど、通信インフラの整備に関する8件の事業、規模にして合計5680万ドルの契約を締結した。

このほか、中国側が医療分野で、ウズベキスタンで各種ワクチンを製造するイノベーションセンターの立ち上げを支援する覚書などに署名している。

(注1MTOMethanol to Olefins)とMTPMethanol to Propylene)は、触媒を用いて比較的低温でエネルギー効率よくエタノールから軽質オレフィン、エチレン、プロピレンを製造する技術。

(注2)過去に中国企業が関わった化学分野のプロジェクトとして、ウズベキスタン最大手肥料メーカーのナボイアゾトと、中国のCAMSエンジニアリング、HQC上海が中国輸出入銀行から融資を受け、201912月に立ち上げたポリ塩化ビニール、カセイソーダ、メタノール製造プラントがある。事業規模は5億ドルとされる。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン、中国)

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