タイの菜食週間、9月26日から10月4日まで開催

(タイ)

バンコク発

2022年09月27日

タイで例年9月末から10月初旬ごろに中国系タイ人を中心に行われる菜食週間(タイ語名:ギンジェー)が、2022年は926日から104日まで行われる。期間中は身を清めるため、肉類、卵、酒類、味付けが濃い調味料、ニンニクやネギなどの香りの強い野菜の摂取を控える。スーパーマーケットやレストランなどでは「齋(さい:心身を清めて飲食を慎むこと)」の文字がついた黄色の旗を立てたり、商品のパッケージに「齋」の文字を入れた商品を販売したりするところが多い。

バンコクのヤワラート通り(中華街)をはじめ、百貨店などでも菜食祭が開催される。2021年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、ヤワラート通りでの菜食祭は中止されていた。

タイ商工会議所大学(UTCC)の調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2022年の菜食週間の経済効果は前年比5.2%増の422億バーツ(約1,647億円、1バーツ=約3.9円)と予測されている。2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり前年比14.5%減となったが、2022年は新型コロナウイルス感染状況の改善や政府の個人消費刺激策の延長により、増加に転じる見込みだ。しかし、物価の上昇が影響し、新型コロナウイルス流行以前の水準には達しないと予測される(添付資料表参照)。また、同調査のアンケートPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(有効回答数1,250人)によると、経済状況の低迷や菜食料理の価格が高いことが理由で、66%は菜食に参加しないと回答した一方、徳を積むことや家族・知人が菜食に参加することが理由で、34%は菜食に参加すると回答した。同調査によれば、原材料価格の高騰などが要因で、菜食料理の価格は上がっている。

また、カシコン銀行がバンコクを対象に行っている調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2022年の菜食週間の経済効果は前年比4%増の32億バーツと、やはり増加が予測されている。菜食料理の消費量が6%減となる一方で、菜食料理の価格が10%上昇するため。同調査では、菜食週間に参加する人の82%は、より安価な菜食の購入や菜食する期間の短縮などにより費用を節約すると回答している。

写真 「齋」の旗が掲げられた日本産サツマイモ(ジェトロ撮影)

「齋」の旗が掲げられた日本産サツマイモ(ジェトロ撮影)

(ウォンパタラクン・ヤーダー、谷口裕基)

(タイ)

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