バイデン米政権、ILO強制労働の世界推計に関する日本、EUとの3者共同声明を発表

(米国、日本、EU)

米州課

2022年09月16日

米国のキャサリン・タイ通商代表部(USTR)代表およびマーティ・ウォルシュ労働長官は9月15日、日本の西村康稔経済産業相および加藤勝信厚生労働相、EUのバルディス・ドンブロフスキス欧州委員会上級副委員長、ニコラ・シュミット同雇用・社会権担当委員とともに、ILOによる強制労働の世界推計に関して共同声明を出外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。経済産業省も、日本語で3者共同声明の内容を公開外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。

共同声明において、日米欧は「強制労働に関する世界情勢およびILO、ウォーク・フリー財団および国際移住機関による報告書『現代奴隷制の世界推計PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)』で新たに公表された強制労働の推計に関する懸念を共有する」とした。推定2,800万人が強制労働を課せられ、その数が2016年以降300万人増加しており、強制労働が課せられている女性と女児の数は1,180万人で、そのうち330万人が子供だと具体的な数値を挙げて、強制労働の現状を問題視した。

また、日米欧は、ルールに基づく多角的貿易体制から、国家が課す強制労働を含むあらゆる形態の強制労働を根絶するコミットメントを再度強調し、このコミットメントを達成するための国内および国際的な取り組みを強化することを決意した。さらに、強制労働を含む基本的な労働の権利の侵害は、世界貿易システムにおいて不公平な競争上の優位性を得るために決して使用されるべきではないと指摘した。

最後に、「監督メカニズムの活用、技術的専門知識の提供、強制労働撲滅のための国内および世界的な取り組みの進捗状況の測定などを通じて、世界的に強制労働に対処する上でのILOのリーダーシップに感謝する」と述べ、強制労働問題の解決に向けて取り組むILOの役割を評価している。

(片岡一生)

(米国、日本、EU)

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