ブリンケン米国務長官、中国の王毅外相と会談、台湾海峡の平和と安定の維持を強調

(米国、中国)

ニューヨーク発

2022年09月26日

米国のアントニー・ブリンケン国務長官は9月23日、国連総会が行われている米国ニューヨークで中国の王毅国務委員兼外交部長(外相)と会談した。

米国務省が発表した声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ブリンケン国務長官は、特に両国間に緊張が生じている時に、開かれた意思疎通を維持し、責任を持って米中関係を管理する必要性を議論した。また、米国は長年の「1つの中国」政策に一致して、台湾海峡の平和と安定の維持にコミットしていることを強調するとともに、その平和と安定の維持は地域と世界の安全保障と繁栄にとって重要だと強く主張した。さらに、ロシアのウクライナに対する侵攻を非難し、中国がロシア政府に支援を行った場合の影響についても強調した。米国は中国と利害が一致する分野では、中国と協力することにオープンであり続けるとも伝えた。

米中関係は、米国連邦議会のナンシー・ペロシ下院議長(民主党、カリフォルニア州)が8月に台湾を訪問して以降、緊張が高まっている。そうした中、ジョー・バイデン大統領は9月に入り、米国テレビ局のインタビューで「前例のない攻撃が行われた場合は、米軍は台湾を防衛する」と明言した(2022年9月21日記事参照)。一方、バイデン大統領は、同インタビューで「1つの中国」政策が不変であることにも言及しており、9月21日に行った国連総会の演説でも、同政策を維持し、中国と台湾のいずれかの側による一方的な現状変更には反対を続けると表明している(2022年9月22日記事参照)。

(甲斐野裕之)

(米国、中国)

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