米連邦上院選見通し、フロリダ、ネバダ州とも現職やや優位、各種世論調査

(米国)

米州課

2022年09月08日

11月の米国中間選挙の連邦上院選挙に向けて、フロリダ州とネバダ州では、いずれも現職議員がやや優位との見通しであることが、各種世論調査から分かった。

米国の調査会社サスケハンナ・ポーリング・アンド・リサーチが97日に発表した世論調査結果(注1)によれば、フロリダ州の連邦上院選がもし今日実施されたら誰に投票するかという問いに対して、共和党現職のマルコ・ルビオ氏が47%と、民主党のバル・デミングス氏(連邦下院議員、44%)を3ポイント上回った。支持政党別では、共和党支持者の96%がルビオ氏、民主党支持者の92%がデミングス氏を支持するが、無党派層ではデミングス氏(41%)がルビオ氏(32%)をリードしている。

連邦上院選で最も投票に影響する事項としては、「インフレ、経済」が54%と1位に挙がり、「中絶や銃規制などの社会問題」(44%)が2位となった。3位以下は「移民」(26%)、「環境、気候変動」(21%)、「税制、政府支出」(17%)が続く。デミングス氏は、中絶支持の広告を出し、ルビオ氏との立場の違いを強調している。

会員制団体である全米退職者協会(AARP)が9月7日に発表したフロリダ州の世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)によれば、連邦上院選を想定した設問では、ルビオ氏(49%)がデミングス氏(47%)を2ポイント差で上回った。

AAPR8月に実施したネバダ州の世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注3)によれば、もし、ネバダ州の連邦上院選が今日行われたとして誰に投票するかという問いに対して、民主党の現職キャシー・コルテス・マスト氏が44%、共和党のアダム・ラクソール氏(元州司法長官)が40%と、現職のマスト氏が4ポイント差で上回った。なお、サフォーク大学が8月初旬に実施した世論調査では(2022年8月24日記事参照)、マスト氏が7ポイント差でリードしていた。AAPRは、わずかの差でマスト氏がリードしている要因を、ヒスパニックの民主党への支持低下を指摘している。先述のサフォーク大学の世論調査では、コルテス・マスト氏へのヒスパニックの支持は52%と過半だったが、AAPRの世論調査では43%と半数に届かなかった。

連邦上院選で重視する項目としては、「インフレ、物価上昇」(15%)が最大で、「税制、政府支出・債務」(13%)、「社会保障、メディケア」(12%)、「移民、国境警備」(11%)、「中絶」(8%)と続いた。ラクソール候補の陣営では、ガソリン価格の高騰は、民主党政権の政策のせいで、ネバダ州の有権者は変化を求めている、と述べている(「ワシントン・ポスト」紙電子版828日)。

なお、選挙情報サイト270トゥウィンの91日付情報によれば、フロリダ州の連邦上院選予想は共和党優勢、ネバダ州は接戦だ(注4)。

(注1)実施時期は829日~93日。対象者はフロリダ州の登録有権者500人。

(注2)実施時期は82431日。対象者はフロリダ州の有権者1,626人(うち中間選挙投票予定者500人)。

(注3)実施時期は81624日。対象者はネバダ州の中間選挙投票予定者1,332人。

(注4)サバトズ・クリスタル・ボール、クック・ポリティカル・レポート、インサイド・エレクション、スプリット・チケット、ファイブ・サーティエイト各社の総合判定に基づく。

(松岡智恵子)

(米国)

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