屋内でのマスク着用義務も撤廃、公共交通機関などでは引き続き必要

(マレーシア)

クアラルンプール発

2022年09月08日

マレーシアのカイリー・ジャマルディン保健相は97日、屋内で義務としていたマスク着用について原則任意とし、即日適用することを発表した。感染状況が落ち着いていることから、着用義務を撤廃した(注)。ただし、医療機関や公共交通機関(グラブなどの配車サービスを含む)でのほか、新型コロナウイルス感染症の陽性者には引き続き着用を義務付ける。同相はまた、発熱などの症状がある人、高齢者や妊婦といった重症化リスクの高い人、こうした高リスクの人と接触する人に関しては、マスク着用を強く推奨するとした。夜市や礼拝所といった混雑した場所を訪れる場合にも、着用を強く推奨する。

マレーシアでは51日以降、標準作業手順書(SOP)を一新。20208月から、屋外のマスク着用義務を撤廃していた(2022年4月28日記事参照)。ただし今日でも、クアラルンプール市内では屋外でもマスクを着用している人は多く、マスクは慣習化しつつある。

なお、同様に20225月には、政府の新型コロナ対策アプリ「MySejahtera(マイセジャテラ)」による、施設入場時のQRコード読み取りも廃止された。これ以降もしばらくは、大型ショッピングモールなどでは入場時にアプリの提示を求められるケースが多かったが、足元ではこうした施設の数も減少し、市内での行動は大幅に自由化されている。他方で、97日の発表以降も、施設管理者の独自判断により、入場者に対しマスク着用を求めることは可能だ。

(注)マレーシアの1日当たりの新規感染者数は、9月に入ってから1,5002,000人前後で推移している。96日現在、成人のワクチン接種率(2回)は98.2%、ブースター接種率は68.7%に上る。

(吾郷伊都子)

(マレーシア)

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