サービス交易会が北京で開催、延べ25万人が来場
(中国)
北京発
2022年09月16日
中国・北京市で中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)が8月31~9月5日に開催された。中国商務部と北京市政府が主催し、上海市で開催される中国国際輸入博覧会(CIIE)、広東省広州市での中国輸出入商品交易会(CIEF)と並び、対外開放における国家レベルの3大展示プラットフォームに位置付けられている。
この交易会は「より良い開発のために協力し、より環境にやさしい未来のために革新する」をテーマとし、新たに環境サービスに関する特設エリアが設けられ、生態環境保護やグリーン・省エネに係る技術や応用などを紹介する展示が行われた。2日間で延べ25万人が来場した。
同交易会は、2022年北京冬季オリンピックに合わせて開業した国家会議センター(第2期)を会場として使用。総展示面積は2021年から2万6,000平方メートル増加し、15万2,000平方メートルとなった。会場では128件の専門フォーラム、65件のプロモーション・商談会などが併催され、オフラインで2,400社余り、オンラインで7,800社余りが出展した。
2021年に続いて、ジェトロは交易会に「越境EC」をテーマとした234平方メートルの日本館を設置。生活関連用品や工芸品、加工食品・飲料など約400種類の商品を展示した。会期中、日本館を訪れた来場者は1万人を超え、新型コロナウイルス感染拡大の影響から日本に旅行ができない中国人消費者の日本製品に対する強い関心が示された。日本館に出展した日本航空(JAL) 北京支店総務部の伊集院兼史総経理は「2022年からわれわれも日本産商品を中国に紹介する越境EC事業に取り組んでいるが、この展示会で5,000人ほどのフォロワーを獲得できた。当社サービスの認知向上や商品の魅力をお客さまに直接PRできる非常に良い機会となった」とコメントした。
中国国際サービス貿易交易会に設置された日本館(ジェトロ撮影)
多くの来場者でにぎわう日本館の展示ブース(ジェトロ撮影)
また、文化旅行サービスや電気通信・コンピュータ・情報サービスなどの各種テーマ展が開催された首鋼園展示区では、日本政府観光局(JNTO)や地方自治体による観光PRが行われた。そのほか、メタバース(仮想空間)をテーマとするパビリオンが新たに設けられ、来場者の注目を集めた。交易会にはサービス貿易に関連する幅広い分野からの出展があったが、2022年はグリーンやイノベーションを重視した展示内容となった。
メタバースの体験エリアの様子(ジェトロ撮影)
出展者には新型コロナワクチンの3回接種完了を義務付け
中国では8月に入って複数の都市で新型コロナウイルスのオミクロン型変異株の一種「BA.5」の感染者が増加した影響から、多くの展示会やイベントの実施が中止となった。北京市でもこの交易会は約1カ月ぶりに開催される展示会となった。
会期中の感染防止策は2021年開催時よりも強化され、出展者には新型コロナワクチンの3回接種完了が義務付けられ、入館に際しては24時間以内のPCR検査の陰性証明が必要とされた。一般来場者にも48時間以内のPCR検査の陰性証明が求められた。また、北京市では過去7日以内に国内の中・高リスク地域に滞在歴がある場合、同市への入境を認めないなど徹底した防疫体制が敷かれた中での開催となった。
(唐澤和之)
(中国)
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