経産省とジェトロ、「始動 Next Innovator Demo Day」で最優秀賞の2人決定
(日本)
スタートアップ支援課
2022年09月29日
「始動 Next Innovator 2020-2021 Demo Day」が8月20日、東京の虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された。「始動 Next Innovator」は、ベンチャー企業や大企業で新規事業に挑戦する次世代のイノベーターを育成するプロジェクトだ。同事業は、国内やシリコンバレーでのプログラムを用意し、2015年から8年にわたり続くプログラムとなる。主催は経済産業省とジェトロ。
今回のデモデーは、新型コロナ禍による影響で6期(2020年)と7期(2021年)を対象に合同で実施された。両期の受講生合計200人から選抜した合計21人がピッチを行って独自の事業プランを発表、上位6人を表彰した。
この結果、グランドチャンピオン(および6期最優秀賞)となったのは、下村明司氏(マジックシールズ代表)だ。下村氏は「大腿骨(だいたいこつ)骨折が原因で寝たきりになる人をゼロにすること」を目標に、転倒時のみ柔らかくなって衝撃を吸収できる床材「ころやわ」の製造開発・販売に取り組んでいる。下村氏は「高齢者の転倒骨折という社会課題を皆さんが知るきっかけとなり、転倒骨折者が減ればうれしい。世界はさまざまな社会課題にあふれているが、高齢者の課題は日本がリードすべき分野だ。引き続き世界に向けて提案していく」と抱負を語った。
7期最優秀賞は池田篤史氏(筑波大学)が受賞した。医師として、ぼうこう内視鏡検査のデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む大学発ベンチャー起業家だ。池田氏の取り組みは、医師によるアナログの検査記録をデータ化し、人工知能(AI)による病変の検出を実現しようとするものだ。「『始動』の最大の魅力は、素晴らしい新たなつながりに尽きる。参加前は、ただ聴講するだけという意識だったが、質疑応答の時間に100人中50人以上が手を挙げるという積極性あふれる同期参加者たちから多くの刺激をもらった。医師は病院内の医療職としか関わり合いがないことが多いため、この出会いは得難い」と感想を述べた。
会場には約220人の聴衆が詰めかけ、2年ぶりの開催は盛況に幕を閉じた。8期生のプログラムは9月24日にスタートした。
「始動」グランドチャンピオン発表の様子(ジェトロ撮影)
(近藤美咲)
(日本)
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