テロ活動がナンプラ州にも拡大

(モザンビーク)

マプト発

2022年09月29日

モザンビーク北部では2017年以降、テロ活動が続いている。これに対して、同国治安部隊・警察組織によるSADC待機軍(SAMIM)とルワンダ軍による共同作戦が進行している(2021年10月12日記事参照)。

報道によると、2020年8月にテロ組織が一時的に占拠したカーボデルガード州北部モシンボア・ダ・プライア郡に約9,000人の国内避難民が帰還するなど、従来の危険地域では落ち着きを見せ始めている(2022年9月12日付「クラブ・オブ・モザンビーク」)。他方、隣接州でモザンビーク北部の経済・物流の中心ナンプラ州でテロが続いており、6月17日のメンバ郡(2022年7月11日記事参照)に続き、9月2日にエラティ郡、7日には再びメンバ郡でテロが発生した。7日の襲撃ではイタリア人宣教師も犠牲となっており、ローマ教皇も哀悼の意を表明した。

モザンビークのフィリペ・ニュシ大統領は9月7日、独立戦勝記念日の演説でナンプラ州でのテロ活動発生に言及。治安部隊はSAMIM、ルワンダ軍とともに継続して治安状況改善に尽力すると述べた。

また、EUは9月8日、欧州平和ファシリティーの下でSAMIMのモザンビークテロ対策への支援を承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これにより、輸送車両や医療機器など合計1,500万ユーロ相当の機材がSAMIMに供与される。同日にモザンビークを訪問していたジョセップ・ボレルEU外務・安全保障政策上級代表は12日の声明で、テログループが分散しているためにモザンビークの治安問題は依然として残っているとの見方を示した。

(松永篤)

(モザンビーク)

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