米共和党議員、新疆ウイグル自治区産デーツの輸入めぐり税関を追及

(米国、中国)

ニューヨーク発

2022年09月15日

米国連邦議会下院の共和党議員27人は9月1日、米国税関・国境警備局(CBP)のクリス・マグナス局長と財務省外国資産管理局(OFAC)のアンドレア・ガッキ局長に対し、6月に施行されたウイグル強制労働防止法(UFLPA)の執行状況について問う書簡を送付した。書簡にはジム・バンクス議員(インディアナ州)やマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州)らが署名した。

UFLPAは中国の新疆ウイグル自治区が関与する製品の米国への輸入を原則禁止しており、輸入禁止措置は6月21日に施行された(2022年8月5日付地域・分析レポート参照)。米国政治メディア「ワシントン・フリー・ビーコン」(9月6日)が入手した書簡によると、バンクス議員らは、UFLPA施行後も新疆ウイグル自治区で生産または加工されたレッドデーツが米国で販売されていたとの「ウイグル人権プロジェクト(UHRP)」の報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)に言及。これが事実とすれば、CBPのUFLPA執行に重大な疑問が生じるとして、CBPによる法執行の手法や全面的な執行のための課題を問いただした。また、UFLPA施行以降に新疆ウイグル自治区産のデーツやそのほかの製品の輸入を認めた実績がある場合、その量や輸入を認めた根拠を提出するよう求めた。UHRPが確認したデーツの中には、グローバル・マグニツキー人権問責法(注2)に基づき制裁対象の特別指定国民(SDN)に指定されている新疆生産建設兵団(XPCC)のラベルを伴う商品も含まれていた。このことから、バンクス議員らはOFACに対し、XPCCから調達されたデーツの輸入に当たり、米国民とXPCCの間で制裁対象となる取引が行われていたか評価する意向があるかも尋ねた。

UFLPA執行をめぐって、ほかには太陽光発電製品の輸入差し止め事例が米国メディアによって報じられている(2022年8月16日記事参照)。UFLPAに基づいて差し止めた物品を輸入するには、輸入者は輸入物品がUFLPAの対象外であることを示すか、輸入物品が強制労働に依拠していないことを証明する「明確で説得力のある証拠」を提出(輸入例外を申請)する必要がある(注3)。CBPは輸入例外を認めた場合、30日以内に報告書を議会に提出し公表する義務があるが、これまでそうした報告書は公表されていない。UFLPA執行状況に関して、CBPのアンマリー・ハイスミス局長補は米国通商専門誌「インサイドUSトレード」(8月26日)のインタビューに対し、輸入者から輸入例外の申請はいまだ受け取っていない一方、輸入物品へのUFLPAの適用有無の判断を求める要請は数多く処理していると明らかにしている。

(注1)報告書では、2~8月に首都ワシントンの食料品店を調査したところ(オンラインを含む)、新疆ウイグル自治区で生産または加工された70を超えるブランドのレッドデーツが販売されていたと説明している。

(注2)2016年成立の米国法で、国籍を問わず人権侵害や汚職に関与していると特定された外国人に対して、経済制裁や米国への入国拒否を行う権限を大統領に与える法律。

(注3)ウイグル強制労働防止法に関する最新ニュース、法令・ガイダンスなどの情報については、ジェトロのウイグル強制労働防止法特集ページを参照。

(甲斐野裕之)

(米国、中国)

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