8月の消費者物価指数上昇率は前年同月比7.0%、4カ月ぶりに前月より拡大

(インド)

アジア大洋州課

2022年09月26日

インド統計・計画実行省(MOSPI)が9月12日に発表した2022年8月の全国ベースの消費者物価指数(CPI、注)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は174.3ポイント(速報値)で、前年同月の162.9ポイント(確報値)と比較し、7.00%上昇した(添付資料図参照)。上昇率は、インド準備銀行(RBI、中央銀行)がインフレ目標の上限に定める6%を8カ月連続で上回り、上昇幅が4カ月ぶりに前月より拡大に転じた。なお、インフレ率について同行は、2022年度第2四半期(7~9月)は7.1%と予測しており、今回も想定範囲内の上昇率にとどまった(2022年8月2日記事参照)。

品目別の上昇率では、CPIの比重の約5割を占める食品・飲料は前年同月比7.57%だった。その内訳は、2桁の伸びを示したのが香辛料(14.90%)と野菜(13.23%)で、ウエートが大きい穀物・同製品は9.57%、油・油脂においては7月の7.52%から4.62%まで鈍化した。

食品価格の上昇要因としては、ロシアによるウクライナ侵攻を受けた輸送コストや、国内の需要増加による値上げ、通貨ルピー安の影響による輸入価格の高騰、生産コスト増などが挙げられる。

食品・飲料以外の品目では、靴が前年同月比11.85%上昇で最も高く、燃料・電力(10.78%)、衣服(9.58%)と続いた。そのほか、たばこ・嗜好(しこう)品(1.67%)、住宅(4.06%)、健康(5.43%)、輸送・通信(5.2%)、教育(5.51%)などの上昇が顕著だった。

上昇率がマイナスになった品目は、卵(前年同月比マイナス4.57%)のみで、全体的には上昇傾向を示した。

なお、地域別CPI上昇率でも、農村部では前年同月比7.15%(7月から0.35ポイント上昇)、都市部は6.72%(0.23ポイント上昇)と、それぞれ上昇幅の拡大がみられた。

(注)全国ベースのCPIは、基準年2012年=100とし、農村部と都市部の各CPIを加重平均したもの。

(寺島かほる)

(インド)

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