2022世界人工知能大会が上海で開催、AI人材の需要が高まる

(中国)

上海発

2022年09月05日

2022世界人工知能大会(WAIC)が91日、中国・上海世界博覧中心で開幕した。大会は、国家発展改革委員会、工業情報化部、科学技術部、国家インターネット情報弁公室、中国科学院、中国工程院、中国科学技術協会および上海市人民政府が共同で主催した。今回はオンラインとオフラインによるハイブリッド方式で、上海のメイン会場以外に、北米、欧州、シンガポール、韓国、および香港に5つの分会場を設けた。大会には93日までの開催期間中、国内外の有名な企業家、学者および国際組織代表ら500人以上のゲストが参加した。

主催者によると、今回の展示面積は15,000平方メートル、出展企業は200社余り、初出展企業は30%を超え、上海地域以外の企業および海外企業の割合は40%を超えたという。また、今回のテーマは「智聯世界(インテリジェントコネクティビティー、注1)、元生無界(無限のマルチバース)」で、メイン会場の上海世界博覧中心では、メタバースの展示が中心となり、仮想空間による体験とリアルの展示により、ブレイン・マシン・インタフェース(注2)や次世代デジタルツールなどといった、AI+メタバースの全産業生態チェーンを紹介した。業界をリードするAIビッグモデル、スマート手術ロボット、自動運転商用車なども登場した。

大会では複数の会場において、分野別やテーマ別のフォーラムなど100近くのイベントも同時に行われた。その中で、AI人材を募集するための求人会では、600社以上の企業が国内外100カ所以上のAI関連の大学や海外人材コミュニティー向けに1万件以上の求人を発表した。

本大会は上海市の封鎖管理解除後、初めての大型国際イベントで、会場では新型コロナウイルスの感染防止対策が厳格に行われていた。来場者は24時間以内のPCR陰性証明と緑の健康コードの提示が求められているほか、会場入り口で顔認証と体温検査も行われた。また、人数制限のため、来場者は専門来場者のみに限定し、一般来場者は事前申し込みのうえオンラインでの参加となった。

写真 開幕式で百度(Baidu)の李彦宏董事長による発言の様子(ジェトロ撮影)

開幕式で百度(Baidu)の李彦宏董事長による発言の様子(ジェトロ撮影)

写真 展示会場入口の様子(ジェトロ撮影)

展示会場入口の様子(ジェトロ撮影)

写真 メタバースのブースの様子(ジェトロ撮影)

メタバースのブースの様子(ジェトロ撮影)

(注1)インテリジェントコネクティビティーとは、高速・低遅延の5G(第5世代移動通信システム)ネットワーク、最先端の人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)を通じた数多くのデバイスの連携。

(注2)ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)とは、脳波などから発信される情報の利用、または脳への刺激などといった方法により、脳と機械をつなぐ技術。

(宋青青)

(中国)

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