米シェブロン、フランスのエア・リキードなどとCCUSコンソーシアム結成

(米国、フランス、シンガポール、中国)

ヒューストン発

2022年09月22日

米国石油大手シェブロンは9月21日、シンガポールにおける大規模な二酸化炭素(CO2)回収・利用・貯留(CCUS)ソリューションおよび統合インフラの開発を評価・推進するためのコンソーシアム設立の覚書に調印したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。コンソーシアムに参加するのは、シェブロンの子会社シェブロン・ニュー・ベンチャー、フランス産業ガス大手エア・リキードの子会社エア・リキード・シンガポール、シンガポールの環境・エネルギー分野インフラ会社ケッペル・インフラストラクチャーの子会社ケッペル・エナジー・ベンチャーズ、中国石油大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ)の子会社ペトロチャイナ・インターナショナル。

発表によると、本コンソーシアムは、シンガポールでのCCUSの技術面、物流面、そして運用面でのソリューションに関する研究、試験、および開発を目的としている。本コンソーシアムは、主にエネルギー・化学部門での脱炭素支援で、大規模な産業排出源からCO2を集中的に回収するCCUS統合インフラの提供を目指すとしている。回収・集約されたCO2はプラスチックや燃料、セメントなどの製造に利用されるほか、パイプラインや船でアジア太平洋地域の適切な貯留層に輸送され、地下深くの地層に注入することで永久的かつ安全に貯留されることが期待されている。

シェブロン・ニュー・エナジーズでCCUS担当バイスプレジデントを務めるクリス・パワーズ氏は「当社は、エネルギーの未来は低炭素にあると信じており、それを実現するために技術の向上と戦略的関係の構築にコミットしている。同じ志を持つ協力者と共に、今後数十年にわたってアジア太平洋地域における大規模なCCUSソリューションの開発を進めていくことを楽しみにしている」と述べている。

シェブロンは、米国においてCO2回収・貯留(CCS)に積極的に取り組んでおり、2022年5月にカリフォルニア州サンウォーキンバレーでのCCSプロジェクト(2022年5月19日記事参照)や、石油ガス開発のタロス・エナジーならびにCCS開発のカーボンバートとのテキサス州沖合のCCS事業の拡張(2022年5月27日記事参照)を発表している。また8月には、CCS事業をはじめとする新エネルギー部門の成果を公表している(2022年8月3日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国、フランス、シンガポール、中国)

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