米ファースト・アンモニア、デンマークのトプソーとグリーンアンモニア製造契約を締結

(米国、デンマーク)

ヒューストン発

2022年09月16日

グリーンアンモニア(注1)製造企業である米国ファースト・アンモニア(本社:ニューヨーク州ニューヨーク)は9月14日、固体酸化物形電解セル(SOEC、注2)メーカーであるデンマークのトプソー(本社:コンゲンス・リュンビュー)とグリーンアンモニア製造に関する契約を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

発表によれば、今後数年間で、世界各地のファースト・アンモニアのグリーンアンモニア製造施設に、トプソーのSOECが導入される予定だ。また両社の契約に基づき、ファースト・アンモニアはトプソーから、最初に500メガワット(MW)のSOECユニットを購入する。このユニットは、最大5ギガワット(GW)まで拡張が可能という。年間500万トンのグリーンアンモニアを生産することで、年間1,300万トンの二酸化炭素(CO2)排出量の削減が可能となり、これは900万台のガソリン燃料の自動車から排出されるCO2排出量に相当するとしている。

ファースト・アンモニアは、世界各地でグリーンアンモニア製造施設の開発を進めている。ドイツ北部と米国南西部で、商用規模としては世界初となる500MWの施設を2025年に操業開始するとしている。

米国におけるアンモニアに関する最近の取り組みとして、2022年7月29日に、三井物産が米国のCFインダストリーズと、米国でのクリーンアンモニア生産施設の新設に向けた共同開発契約の締結を発表した(2022年8月2日記事参照)。8月3日には、米国マクダーモット・インターナショナルが米国KBRとのアンモニア製造プロセスに関するライセンス契約締結を発表した(2022年8月4日記事参照)。9月5日には、JERAがドイツのユニパー・グローバル・コモディティーズとユニパー・グローバル・コモディティーズ・ノース・アメリカとの間で、液化天然ガス(LNG)と米国産クリーンアンモニアの調達・販売に係る共同検討の覚書締結を発表した(2022年9月6日記事参照)。

(注1)再生可能エネルギー電力、水、空気を原料とし、製造時にCO2を排出しないプロセスで製造されるアンモニア。

(注2)SOECは、水蒸気の電気分解によって水素を製造する装置。

(沖本憲司)

(米国、デンマーク)

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