バイデン米大統領、気候変動対策を担う新たな政権高官人事を発表
(米国)
米州課
2022年09月05日
米国のジョー・バイデン大統領は9月2日、政権の優先課題の1つの気候変動対策について、新たな高官人事を発表した。ジョン・ポデスタ氏が担当の大統領上級顧問に、アリ・ザイディ氏が大統領補佐官兼国家気候アドバイザーに起用される。ポデスタ氏は、8月16日に成立したインフレ削減法(2022年8月17日記事参照)の執行を監督し、国家気候タスクフォースの議長に就任する。大統領副補佐官(気候変動問題担当)兼国家気候副アドバイザーを現在務めるザイディ氏は、9月16日に退任するジーナ・マッカーシー大統領補佐官の後任として、国家気候タスクフォースの副議長に就く。
ポデスタ氏は、独立系シンクタンクのアメリカ進歩センター(Center for American Progress)の創設者兼所長で、気候対策財団(ClimateWorks Foundation)の理事長や気候変動雇用国家資源センター(Climate Jobs National Resource Center)の理事も務めている。同氏はビル・クリントン政権下で大統領首席補佐官を務め、バラク・オバマ政権下では大統領顧問として政権の気候変動対策やイニシアチブの調整を担当した。2016年の大統領選挙ではヒラリー・クリントン氏の選挙対策本部長だった。
ザイディ氏は、バイデン政権の発足初日から政権の気候変動対策、立法、行政措置について主導的な役割を果たしてきた人物。以前はオバマ政権下で行政管理予算局(OMB)などに勤務し、ニューヨーク州の気候変動・財政担当議長やエネルギー・環境担当副長官として同州の取り組みを主導した。
バイデン大統領は声明で「私の政権は、マッカーシー氏とザイディ氏のリーダーシップの下で、歴史的な法案から大胆な行政措置までかつてないほど積極的に行動してきた。インフレ削減法はクリーンエネルギーと気候変動に関する史上最大の前進だ」と述べた上で、今回の人事について「ポデスタ氏がわれわれの継続的な革新と実行を主導してくれるのは幸運だ。ジーナ氏の貢献に感謝するとともに、ザイディ氏の国家気候アドバイザーへの昇進を発表できて誇りに思う」などとコメントしている。
(片岡一生)
(米国)
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