95%は「日本産精米を食べたい」と回答、現地消費者アンケート調査結果

(ブラジル、日本)

サンパウロ発

2022年09月05日

ジェトロは71517日に、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)の取り組みの一環で、ブラジルでの日本産精米の受容性調査を実施した(注1)。

調査の目的は、ブラジルにおける日本産精米の潜在的なニーズを定量的に把握するためで、具体的には、精米に関する啓発セミナーの実施、精米の試食と受容性を調査するアンケート調査を実施した。アンケートから得られた回答の要点は、以下のとおり。

ブラジルでは、国内産および海外産のジャポニカ米が流通しており、精米へのなじみの深さから日本食を日常的に食す機会を持つ人が多い。また、日本産精米と海外産ジャポニカ米との質の違いも感じており、有効回答数のうち95%は、「今後も日本産精米を食べたい」と回答した。

  • 有効回答数のうち97%が「日本食が好き」と回答。年齢や所得に関係なく、日本食を食す頻度は「週2回以上」との回答が60%となり、日本食が浸透していることがうかがえる。
  • 「日本食はどこで食べるのか」との設問に対し、所得別にみると、有効回答数の66%に相当する中流層(注2)以上では、「自宅での調理」が58%と圧倒的に多かった。また、コメを使用した調理の頻度に関する設問では、51%が「よくある」と回答した。使用するコメのブランドは、「ブラジル産のジャポニカ米」が最も多く27%、次いで「海外産ジャポニカ米」が13%となった。
  • 日本産精米の試食を通して、有効回答数のうち94%から、5段階評価中「4」以上の回答を得た。「おいしさ」だけでなく、「食感、甘味、やわらかさに違いを感じた」との回答が多かった。
  • 「今後も日本産精米を食べたい」と回答した人のうち、5キロ・パックのコメを購入する場合には、有効回答数のうち45%が「5099レアル(約1,3502,673円、1レアル=約27円)」、10%が「100レアル以上」と回答した。なお、所得別では、有効回答数のうち、5%に相当する高所得者層では、同所得層の23%が「100レアル以上を支払う価値がある」と回答した(注2)。

(注1)有効回答数は、一般消費者268人。アンケート調査は、ブラジル日本都道府県人会連合会(KENREN)が主催する世界最大の日系イベント「第23回日本祭り(フェスティバル・ド・ジャポン)」(会期は71517日)において、日本産精米への関心が高い消費者に整理券を配布し、来場した参加者を対象に実施した。

(注2)アンケート調査では、月収入も聞いた。月収が、最低賃金の約20倍以上に相当する23,345レアル以上をA層(高所得者層)と定義した。定義は、ABEP(ブラジル調査企業協会)のデータに基づいている。

(斎藤裕之)

(ブラジル、日本)

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