2022年上半期のFTA利用輸出額は前年同期比11.4%増

(タイ)

バンコク発

2022年09月20日

タイ商業省外国貿易局(DFT)は824日、2022年上半期(16月)のタイからの輸出における自由貿易協定(FTA)利用統計を発表した(注1)。同統計によると、2022年上半期にFTAを利用したタイからの輸出額は、前年同期比11.4%増の4271,000万ドルに上った。FTA利用が可能だった輸出額は5358,600万ドルで、FTA利用率は79.7%となった。前年同期から0.6ポイント増加した(添付資料表1参照)。

仕向け地別でFTA利用額が大きかったのは、ASEAN1599,100万ドル)、中国(1317,700万ドル)、オーストラリア(419,400万ドル)、日本(368,700万ドル)、インド(295,500万ドル)の順だった。なお、日本向けのFTA利用率は79.4%となった(添付資料表2参照)。

協定別に利用額の大きいFTAは、ASEAN自由貿易協定(AFTAASEAN物品貿易協定:ATIGA)が1599,000万ドル、ASEAN中国自由貿易協定(ACFTA)が1308,700万ドル、日本タイ経済連携協定(JTEPA)が342,500万ドル、タイ=オーストラリアFTATAFTA)が315,800万ドル、ASEANインドFTAAIFTA)が267,700万ドルの順だった(添付資料表3参照)。

FTA利用の多い輸出品目は、協定ごとに以下のとおり。

  • AFTA:積載量5トン未満の貨物輸送車(HS8704.21)、その他のサトウキビ糖(HS1701.14)、その他の石油・歴青油(HS2710.19)など
  • ACFTA:生鮮ドリアン(HS0810.60)、合成ゴムと天然ゴムのラテックスを混合したゴム製品(HS4002.80)、キャッサバ(HS0714.10)など
  • JTEPA:鶏肉・内臓の加工品(HS1602.32)、冷凍鶏肉(HS0207.14)、デキストリン・でんぷん(HS3505.10)など
  • TAFTA:積載量5トン未満の貨物輸送車(HS8704.21)、シリンダー容量2500cc超の乗用車(HS8703.33)、シリンダー容量1500cc2500ccの乗用車(HS8703.32)など
  • AIFTA:銅線(HS7408.19)、アルミホイル(HS7607.19)、トルエン(HS2902.30)(注2)など
  • RCEP:潤滑油(HS2710.19)、ツナ缶(HS1604.14)、生鮮ドリアン(HS0810.60)、キャッサバ(HS0714.10)など

(注1)同統計で計上されるFTAは、タイが締結する14FTAのうち、ASEAN=香港FTAAHKFTA)とタイ=ニュージーランド経済緊密化連携協定(TNZCEP)を除く12協定。TNZCEPの原産地証明は自己証明のみで、商務省が発給当局ではないため、データが収集できない。また、香港は自由貿易港で、輸入関税がかからないため、FTAを利用する必要がない。

(注2)塗料や接着剤、ガソリン、灯油などに多く利用される化学物質。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

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