日韓首脳間の懇談を開催、意思疎通の継続で一致

(韓国、日本)

ソウル発

2022年09月26日

韓国大統領府は9月22日、書面ブリーフィングにおいて、国連総会出席のため米国ニューヨークを訪問中の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が岸田文雄首相と「日韓首脳略式会談」(注1、以下「懇談」)を開催したと発表した。

懇談では、日韓の懸案事項について、「懸案を解決し、関係を改善する必要性に共感し、このために外交当局間の対話を加速化することを外交当局に指示すると同時に、引き続き協議していくこと」「両首脳は、意思疎通を継続すること」で意見が一致した。

北朝鮮問題については、「最近の核兵器使用の法制化(注2)、7回目の核実験の可能性など、北朝鮮の核開発に対する深刻な憂慮を共有し、これに対応するため、国際社会と緊密に協力していくこと」で意見が一致した。

さらに、国際社会に対しては、「自由民主主義と人権、法による統治など、互いに共有している普遍的な価値を守るため、両国が国際社会と共に連帯していくことで共感し、協力していくこととした」と発表した。

「朝鮮日報」(9月22日)は、「両首脳がニューヨークで両国関係正常化に向けた第一歩を踏み出した」「ひとまず未来志向的な日韓関係正常化に向けて、大きな枠組みで膝をつけ合わせようということで共感を得たということだ」と好意的に捉える一方、「旧朝鮮半島労働者問題など、両国間の懸案を巡っては依然として見解の違いがあり、今回の懇談が関係改善の突破口になるかはもう少し見守らなければならない」と分析した。

(注1)日本の外務省は、「日韓首脳間の懇談」、韓国大統領府は「日韓首脳略式会談」と呼称。

(注2)北朝鮮国営の朝鮮中央通信によれば、核兵器の使用条件を定めた法令が最高人民会議で採択された。防衛目的で核先制攻撃を行う権限が明文化されたと報じられている。

(当間正明)

(韓国、日本)

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