ブラジルと米国、AEO認定事業者制度の相互承認取り決めに署名、通関のリードタイム短縮へ

(ブラジル、米国)

米州課

2022年09月29日

ブラジル国税特別局と米国税関・国境警備局(CBP)は9月16日、AEO相互承認に係る取り決めについて合意に達し、ワシントンで署名を行った。ブラジル経済省とブラジル国税特別局、CBPが明らかにした。

AEO制度は、貨物のセキュリティー管理と法令順守の体制が整備された事業者に対して、迅速化・簡素化された税関手続きを利用することを認める仕組み(注1)。双方のAEO認定事業者に対する相互認証を行うことで、自社が関与する輸出入貨物について、自国税関のみならず、相手国の税関手続きでも、リスクに応じて書類審査・検査の負担が軽減される。通関に係るリードタイムの短縮が期待できる(注2)。

ブラジル政府は2016年12月にウルグアイ、2019年10月に中国、2020年9月にボリビア、同年10月にペルーと相互認証を認めている。米国はブラジルにとって、輸出入(金額ベース)ともに中国に次ぐ第2位の相手国(2022年8月26日付地域・分析レポート参照)。9月19日付のブラジル政府系紙「アジェンシア・ブラジル」によると、過去3年間で、ブラジルから米国向け輸出の16%がAEO認定事業者による輸出だった(注3)。ブラジル国税特別局は、この度の署名により双方の通関手続きの円滑化が一層促進されると強調している。

在ブラジル米国大使代理のダグラス・コネフ氏は「米国とブラジル双方の強力で革新的な民間部門は、互いの市場にアクセスする事に非常高い価値を見いだしている。この度の合意により両国の貿易はさらに促進されるだろう」と期待を寄せた(9月16日付在ブラジル米国大使館公式サイト)。

2国間では2022年6月に貿易手続きの円滑化や規制の透明性向上を目的とした非関税分野の協定の貿易円滑化協定(ATEC:Agreement on Trade and Economic Coperation)が発効している(2022年6月29日記事参照)。

(注1)詳細は税関の公式サイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(注2)相互承認の内容に応じて種々のベネフィットが加わる

(注3)ブラジルのAEO認定事業者はブラジル国税特別局の公式サイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(辻本希世)

(ブラジル、米国)

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