経済省と交通省、充電インフラ拡大に向けた省横断組織を発足

(ドイツ)

ミュンヘン発

2022年09月06日

ドイツの経済・気候保護省とデジタル・交通省は826日、電動車向け充電インフラの拡充を目的に、マスタープランを進める省横断の充電インフラ推進グループ(ISLa)の発足を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この発表は、ロベルト・ハーベック経済・気候保護相とフォルカー・ビシング・デジタル・交通相の国家充電インフラ・センター外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます訪問に合わせて行われた。

202112月に発足した連立政権は、連立協定書の中で、2030年までにバッテリー式電気自動車(BEV)を国内で少なくとも1,500万台普及させる目標を掲げている(2021年12月6日記事参照)。BEV普及のカギとなる充電インフラについても「2030年までに公共充電器100万基設置」を目標とする。

連邦ネットワーク庁は公共充電器に関する現状を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。これによると、81日時点で稼働している公共充電器は65,801基で、うち急速充電器は15.5%の1231基。ドイツ自動車産業連合会(VDA)は20226月、充電インフラの拡充の遅れを指摘外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。連邦政府の充電インフラ目標の2030年までに100万基を達成するには、週当たり約2,000基の新規導入が必要だが、過去1年の週平均導入実績は約330基にとどまるとした。

201911月に当時の連邦政府が閣議決定した「充電インフラ・マスタープラン」に続いて、現在の連邦政府は今秋、「充電インフラ・マスタープランII」の閣議決定を予定している。デジタル・交通省は20227月に、「充電インフラ・マスタープランII」の草案を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、同計画の中でISLaの設置が明記されており、今回の発足に至った。

ISLaは経済・気候保護省とデジタル・交通省が協働で主導、組織運営は国家充電インフラ・センターが補助し、「充電インフラ・マスタープランII」を具体的に実行する役目を担う。ハーベック経済・気候保護相はISLa発足に際して、「充電インフラが電動車普及のボトルネックになってはならない」とし、「ISLaが充電インフラと電気系統システムの統合に注力する点がとりわけ重要」とコメントした。また、ビシング・デジタル・交通相は今回発足したISLaの目標について、「短期的には障害を取り除き、導入プロセスを加速させ、将来の充電インフラ・ネットワークを整備すること」とした。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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