アジア最大級の日本酒コンクール、第1回「Oriental Sake Awards」開催

(香港)

香港発

2022年09月29日

「香港日本酒業連合会」(The Federation of Japanese Sake Industry of Hong Kong、注1、2021年11月16日記事参照)は9月15日、同連合会初の日本酒コンクール「Oriental Sake Awards(OSA)」を開催した。

OSAは在香港日本総領事館とジェトロ、香港日本料理店協会の後援で開催。159カ所の蔵元から437銘柄がエントリーし、アジア最大級の日本酒コンクールとなった。

日本酒のカテゴリーを「純米大吟醸/純米吟醸(淡麗)」「純米大吟醸/純米吟醸(芳醇)」「大吟醸/吟醸(淡麗)」「大吟醸/吟醸(芳醇)」「本醸造」「純米(うま味濃醇)」「純米(淡麗)」「スパークリング」「生酒」の9部門に分類。合計34人の日本酒専門家がブラインドテイスティングによって部門ごとに審査を行った。

審査では、各部門で「金賞」「銀賞」「銅賞」を選出した後、最高得点を得た日本酒を「部門チャンピオン酒」に選出。さらに、9部門のチャンピオン酒の中からOSA選出による最高峰の日本酒「Sake of the Year」を選出した。審査の結果、「Sake of the Year」には台雲酒造(島根県)の「台雲 山廃純米吟醸」が選ばれた。

「国際酒匠」と「国際利き酒師」の資格(注2)を有する審査員の1人は「香港ではこれまで日本酒関連の別のコンクールも開催されてきたが、OSAの参入によって、上質な日本酒と出会うことができる良い機会がさらに充実する」と、今回のコンクールの意義を強調した。

同連合会会長で、ワインや日本酒の知識を学ぶカリキュラムを提供する香港ワインアカデミーの創立者、「酒サムライ」(注3)にも任命されているミッキー・チャン氏は「プロによる審査を通じたコンクールを行うことで、日本酒初心者の道しるべとなることを目指したい」とコメントした。

写真 受賞酒発表のライブ配信の様子(香港日本酒業連合会提供)

受賞酒発表のライブ配信の様子(香港日本酒業連合会提供)

写真 ブラインドテイスティングによる審査の様子(香港日本酒業連合会提供)

ブラインドテイスティングによる審査の様子(香港日本酒業連合会提供)

(注1)香港日本酒業連合会は2021年11月、香港内の日本産酒類の関係者をはじめとする香港人主導で設立された組織。日本産酒類について理解を深め、香港での普及や発展を推進することを目的としている。

(注2)「国際酒匠」「国際唎酒師」は、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合(SSI)が同会実施の試験などを通じて認定している資格。同会は、日本酒や焼酎の提供・販売従事者の育成を目的とし、日本の酒造業界・酒造流通業界などにより設立された。

(注3)「酒サムライ」の称号は、全国の若手蔵元で組織する日本酒造青年協議会が叙任している。日本酒文化を日本国内のみならず、広く世界に伝えていくために、日本酒を愛し育てるという志を同じくする者を叙任している。

(山崎裕介)

(香港)

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