ハリス米副大統領、安倍元首相国葬のため訪日、半導体産業の日本企業幹部とも面会

(米国、日本、韓国)

米州課

2022年09月29日

カマラ・ハリス副大統領を団長とする米国代表団(2022年9月26日記事参照)は、安倍晋三元首相の国葬に参列するため、9月26日に日本に到着し、同日夕に迎賓館で岸田文雄首相と会談した。会談後は夕食会が開かれた。

外務省によると、ハリス副大統領は会談で、安倍元首相死去に哀悼の意を示し、日米同盟の擁護者だった同氏の功績をたたえた。岸田首相はこれに謝意を表明し、両氏は安倍元首相の遺志を引き継ぎ、日米同盟のさらなる強化や「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、引き続き緊密に連携することで一致した。そのほか、ロシアによるウクライナ侵攻や、中国、北朝鮮などの地域情勢についても意見交換した。岸田首相は、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)への米国の早期復帰も促したとしている。

ハリス副大統領は翌27日午前、米国大使公邸で、半導体産業の日本企業幹部らと会合を開いた。副大統領は冒頭のあいさつ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、CHIPSおよび科学(CHIPSプラス)法に関連して4つのカテゴリーについて議論したいと述べ、具体的には(1)米国での半導体製造の後押し、(2)われわれが毎日使用している製品コストの低下、(3)労働組合による高給の雇用創出、労働力の増加、労働者のスキル向上、(4)イノベーションへの投資と新技術の開発能力強化を挙げた。さらに、「このような活動で日本は非常に重要な役割を担っている。これは、米日両国で包括的な経済成長を遂げ、将来の混乱を防ぐための強靭(きょうじん)性を構築することにつながる」と述べた。

ホワイトハウスが28日に発表したリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、会合では、日本企業による米国の半導体産業に対する最近および将来の投資や、研究開発での日米協力の促進などについて議論が行われた。ハリス副大統領は、日米の強固なパートナーシップと、それがいかに両国民の繁栄に寄与しているかを強調したとしている。

ハリス副大統領は29日に韓国を訪れる。副大統領は27日に東京で韓悳洙(ハン・ドクス)首相と会談外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしたが、ソウルでは尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談するほか、北朝鮮との軍事境界線を挟んだ非武装地帯(DMZ)も視察する予定だ。

(片岡一生)

(米国、日本、韓国)

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