税関がデジタル化で通関手続き効率化

(ウズベキスタン、日本)

タシケント発

2022年09月29日

ウズベキスタン国家税関委員会は923日、タシケント市内で開催された物流施設視察会で、日系企業関係者に対して、同税関が近年進める通関手続きのデジタル化に関するプレゼンテーションを行った。デジタル化の結果、税関検査時間が大幅に短縮したという。

同委員会の戦略計画・関税円滑化局のシュクルロ・ムミノフ主任検査官は、政府の「デジタル税関」に向けた作業として、2017年から2021年の5年間で関連設備の更新・導入が積極的に進み、検査に関する機器の保有台数は約6倍の7,047台に増えた結果、税関検査は23日から1015分に短縮されたと述べた。貿易事業者はオンライン上の「シングルウィンドウ」経由で12の当局と接続され、60の許可書類をやり取りできるほか、双方向のサービスにより初心者でも分かりやすいものになったとする。税関内部でも67の情報システムが導入されたという。

また、国内の一部税関支署で導入済みの通関事前通報システム「E-トランジット」と通関文書共有システム「E-アーカイブ」の内容を説明した。現在開発中のシステムとしてムミノフ主任検査官は、乗客リスク管理や、税関職員汚職リスク査定、税関職員KPI(重要業績指標)査定システムを挙げた。

中央アジアで20年以上の輸送業務実績を持ち、物流施設視察会に講師として参加したアイティエスニッポンの吉田明弘社長は「直近45年の政府による通関手続きデジタル化への努力は評価できる」と述べている(923日)。

物流施設視察会はウズベキスタン日本商工会、ウズベキスタン投資貿易省、ジェトロ・タシケント事務所の共催で923日に実施。在モスクワ、イスタンブール、ドバイ、タシケントの日系企業関係者約20人が参加し、タシケント市の空港や鉄道、トラックの各主要貨物ターミナルを視察した。

写真 シュクルロ・ムミノフ主任検査官(中央)、吉田氏(右)(ジェトロ撮影)

シュクルロ・ムミノフ主任検査官(中央)、吉田氏(右)(ジェトロ撮影)

写真 バスで市内3カ所の貨物ターミナルを回った(チュクルサイ鉄道ターミナル、ジェトロ撮影)

バスで市内3カ所の貨物ターミナルを回った(チュクルサイ鉄道ターミナル、ジェトロ撮影)

(高橋淳)

(ウズベキスタン、日本)

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