EUの第2四半期のGDP成長率、前期比0.7%、成長を維持
(EU、ユーロ圏)
ブリュッセル発
2022年09月09日
EU統計局(ユーロスタット)は9月7日、2022年第2四半期(4~6月)のEU27カ国とユーロ圏19カ国の実質GDP成長率(季節調整済み)を、それぞれ前期比0.7%、0.8%と発表(プレスリリース)した〔添付資料「表1 EU27カ国の四半期別・実質GDP成長率の推移とその内訳(前期比)、「表2 EUおよび加盟国の四半期別の実質GDP成長率(前期比)」参照〕。EUとユーロ圏の成長率は2021年第4四半期(10~12月)でそれぞれ0.7%、0.5%と成長が減速(2022年3月11日記事参照)し、2022年第1四半期(1~3月、2022年6月15日記事参照)に続いて今期と、3期連続で0.7%前後の成長を維持した。
EUの実質GDP成長率(前期比)を需要項目別でみると、個人消費が前期の0.0%から1.2%(寄与度:0.6ポイント)と大きく拡大し、成長を牽引した。政府消費支出も前期の0.1%から0.6%(0.1ポイント)とした。総固定資本形成も前期の0.0%から0.7%(0.2ポイント)で、経済成長を支えた。一方で、輸出は前期比1.4%、輸入は1.9%となり、輸入の勢いが輸出を上回り、純輸出でマイナス成長となった。
EUの実質GDP成長率(前期比)を国別でみると、ポーランド(マイナス2.1%)、エストニア(マイナス1.3%)、ラトビア(マイナス1.0%)、リトアニア(マイナス0.5%)の4カ国でマイナス成長となった(添付資料表2参照)。ユーロ圏の主要4カ国では、スペイン(1.1%)、イタリア(1.1%)、フランス(0.5%)、ドイツ(0.1%)と全てプラス成長となった。今回かろうじてプラス成長を維持したドイツでは、先行きに懐疑的な見方が企業で上がっており、景気後退の懸念が高まっている(2022年9月6日記事参照)。
雇用は引き続き回復
2022年第2四半期のEUとユーロ圏の雇用者数の伸び率を見ると、EU、ユーロ圏ともに前期比で0.4%となった(添付資料表3参照)。国別でみると、リトアニア(前期比3.1%)やチェコ、アイルランド、マルタ(ともに1.6%)を筆頭に、多くの加盟国で雇用者数が増加した。一方、減少した国は、スペイン(マイナス1.1%)、ポルトガル(マイナス0.7%)、エストニア(マイナス0.6%)、ルーマニア(マイナス0.5%)、クロアチア(マイナス0.4%)の5カ国だった。
なお、ユーロスタットが9月1日に発表した7月の失業率(季節調整済み)は、EU全体で6.0%、ユーロ圏で6.6%だった(プレスリリース)。EUでは2020年8月以降、失業率は改善傾向が続いている。
(大中登紀子)
(EU、ユーロ圏)
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