香港国際旅行展(ITE2022)に日系ブースが多数出展

(香港、日本)

香港発

2022年08月29日

香港国際旅行展(ITE 2022)が81821日、香港コンベンションセンターで開催された。香港で毎年開催されている(注)唯一の旅行展示会で、今回で36回目を数えた。

初日から2日目の午前中までは業界関係者向けに開催され、旅行代理店やメディア関係者など2,752人が来場。出展者と商談やインタビューを行う姿が見られた。2日目午後以降は一般来場者向けとなり、31,098人が来場した。

会場には、中国本土や台湾、韓国などアジア・オセアニア諸国・地域を中心として、各企業・団体が独自のパビリオンを出展。日本からは茨城県と栃木県の合同出展や、兵庫県、熊本県、宮崎県など、香港に事務所を置く自治体などが出展し、14ブースが会場の一画を占めた。出展者はパンフレットやノベルティーグッズの配布、動画の放映などで各地域の観光情報をPRしていた。また、会場には3つのステージが設置され、出展者による講演に加えて、ダンスや楽器演奏によるパフォーマンスも行われた。

日本は香港市民にとって最も人気のある旅行先の1つだ。日本政府観光局(JNTO外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、新型コロナウイルス感染症の流行前の2019年には、年間約229万人もの旅行客が香港から訪日していた。今回の展示会の日系ブースも多くの来場者でにぎわい、ステージでの講演では会場は満席となり、立ち見客も出るなど、日本旅行に対する関心の高さがうかがえた。来場者からは、日本ではいつ海外からの個人旅行(FIT)受け入れが解禁されるのかといった質問が多く寄せられた。また、紹介した観光地について、東京からの車でのアクセス方法を尋ねたり、ドライブマップを求める来場者の姿もみられた。香港からの旅行者は、これまで何度も日本に訪れた経験があるリピーターが多いと言われている。日本旅行に慣れている場合には、パッケージツアーではなく、自身の運転などで独自の旅程を楽しみたいといったニーズが感じられた。

日本は20226月から、旅行業者などを受け入れ責任者とする添乗員付きパッケージツアーへの参加者に限定して香港を含む102カ国・地域からの外国人旅行客を受け入れている(824日時点)。新型コロナウイルスのオミクロン株変異株により日本でも感染が再拡大している側面はあるが、各国・地域がウィズコロナ政策へ移行していく中で、香港でも個人旅行の解禁など、日本のさらなる制限緩和に対する期待が高まっている。

写真 日系ブースが集まるエリアの様子(ジェトロ撮影)

日系ブースが集まるエリアの様子(ジェトロ撮影)

写真 ご当地キャラクターの出演にわき立つ茨城県と栃木県の合同ブース(ジェトロ撮影)

ご当地キャラクターの出演にわき立つ茨城県と栃木県の合同ブース(ジェトロ撮影)

(注)2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大により開催中止となった。

(横田覚)

(香港、日本)

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