カナダ政府、拳銃輸入禁止措置を8月19日から導入、銃凍結法案可決までの暫定策

(カナダ)

米州課

2022年08月09日

カナダのグローバル連携省は85日、拳銃輸入の暫定的な禁止措置の適用について発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この措置は、今秋をめどに立法化が進められている全国的な拳銃凍結法案(C-21)の最終可決までの暫定策として導入するもので、819日から適用する。審議中の法案では、規定の一部例外を除いて、個人や企業は拳銃をカナダに輸入することができなくなる。

議会は現在、夏期休会中のため、今回の禁輸措置は立法機関の承認を必要とせず、メラニー・ジョリー外相が有する、輸出入許可申請を拒否できる権限に基づいて決定された。

上記発表の中でジョリー外相は「われわれは、カナダ国民が1人たりとも銃による暴力で亡くなることがあってはならないとの認識でいる」「政府として、カナダが世界で最も安全に生活できる場所の1つであり続けるようにすることがわれわれの責務だ。本日発表された拳銃の輸入禁止措置は、拳銃凍結法案(C-21)の導入に向けて取り組む間、銃を路上から遠ざけ、銃犯罪発生を減少させることをサポートするものになるだろう」と述べた。

また、マルコ・メンディチーノ公共安全相は「本日の発表は、この国の銃犯罪と闘うため、われわれが利用できるあらゆるツールを駆使していることの一層の裏付けとなる」とし、同措置は法案C-21とともに、高殺傷能力武器の回避や、国境での取り締まりや禁止といった対策への投資と並び、銃犯罪対策における重要な柱だと述べた。

カナダでは530日、同月中に米国内で銃乱射事件が相次いで発生したことの影響もあり、ジャスティン・トルドー首相が銃規制を強化する方針を発表していた(2022年6月7日記事参照)。

今回の発表によると、拳銃は2009年から2020年までの銃器による暴力犯罪の大部分(59%)で使用されており、国内で登録されている拳銃の数は2010年から2020年の10年間で71%増加し、約110万丁に達した。また、国境での銃器押収の件数は2021年に過去最大となり、2020年から2倍以上に増えているという。

(高山さわ)

(カナダ)

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