王毅・中国外相、ペロシ米下院議長の訪台を「パフォーマンス」と批判

(中国、米国、台湾)

北京発

2022年08月05日

中国の王毅国務委員兼外交部長(外相)は84日、カンボジアのプノンペンで、米国連邦議会のナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問(2022年8月3日記事参照)をあらためて批判した。王外相は835日に開催されている、中国・ASEAN外相会議、ASEAN・日中韓(+3)外相会議、東アジア首脳会議参加国外相会議、ASEAN地域フォーラム閣僚会合に参加するためプノンペンを訪れている。王外相は既に83日に談話を発表し、ペロシ議長の訪台を激しく非難している(2022年8月3日記事参照)。

王外相は「米国は国際法を踏みにじり、中米間の誓約に違反し、台湾海峡の平和を破壊し、分裂主義を支持し、陣営対立を鼓舞している。これは中国および平和を愛する地域の人々に対する公然たる挑発だ」とした。ペロシ議長の訪台は「パフォーマンス」と批判し、米国のインド太平洋戦略は、中国に対抗し危害を与えるためのもので、米国の国際ルールに対するダブルスタンダードを証明するものだとした。

中国側の対応については、「中国が、米国のこのような狂騒的で無責任で、非理性的な行為に断固とした抵抗をしなければ、主権と領土の完全性を尊重するという国際関係の原則は空文となってしまう」と、その必要性を主張した。また、「中国側は最大限の外交努力をした」との認識を示し、中国側の措置は必要かつ適時の防御措置だとし「国家の主権と安全を守るためのもので、国際法にも国内法にも一致するものだ」と正当性を強調した。

その上で、王外相は「それぞれが現在の危機の原因と本質をはっきりと認識し、米国の危険な行為と挑発に共同で反対し、中国の正当な立場と措置を引き続き支持し、地域と台湾海峡の平和を共に維持するべきだ」と、中国への支持を呼び掛けた。

(河野円洋)

(中国、米国、台湾)

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