初の国産新型コロナ経口治療薬を河南省、海南省、新疆ウイグル自治区などに緊急輸送
(中国)
北京発
2022年08月19日
中国の上海復星医薬(集団)は8月11日、戦略提携をしている河南真実生物科技とともに、新型コロナウイルス感染症の経口治療薬「阿茲夫定片(アズブジン)」(注)を河南省や海南省、新疆ウイグル自治区など感染拡大地域に緊急輸送すると発表した。
同社は、ほかの市販の新型コロナ治療薬に比べ、アズブジンの価格面における優位性を強調した。アズブジンの1瓶(1ミリグラムの錠剤35個入り)当たりの価格は270元(約5,400円、1元=約20円)となっている。また、服用量は成人の新型コロナ感染者で1日1回、空腹時に5ミリグラムとし、服用期間は最長14日間までとしている。
なお、アズブジンは8月9日の国家衛生健康委員会弁公庁および国家漢方薬局弁公室の通知に基づき、現行の「新型コロナウイルス肺炎診療方案(第9版)」で医療保険の適用対象となっている。
(注)アズブジンは中国企業が自主開発した国内初の新型コロナ対応の経口治療薬。2022年7月25日に国家薬品監督管理局が条件付きで承認した(2022年8月8日記事参照)。報道によると、上海復星医薬と河南真実生物科技はアズブジンの共同開発を行い、上海復星医薬の子会社が商業化を担当、中国国内での生産・供給は河南真実生物科技が担当するとしている(「河南日報」8月2日)。
(趙薇)
(中国)
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