上半期の輸出入が増加も貿易黒字が減少、6月単月は赤字に

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年08月03日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDECPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))が720日に発表した貿易統計によると、2022年上半期(16月)の輸出は前年同期比25.5%増の4437,700万ドル、輸入は44.4%増の4128,400万ドルだった。貿易収支は309,300万ドルの黒字となった。貿易黒字は前年同期比で54.3%減少した。

6月単月では、輸出が前年同月比20.3%増の843,200万ドル、輸入は44.6%増の854,700万ドルだった(添付資料図参照)。貿易収支は、11,500万ドルの赤字となった。単月の貿易赤字は202012月以来。

上半期の品目別輸出額をみると、燃料・エネルギーが前年同期比2.1倍、工業製品が30.2%増、一次産品が29.1%増、農畜産物加工品が10.6%増加した(添付資料表1参照)。品目別輸入額では、燃料・潤滑油関連品が前年同期比2.9倍、資本財が35.5%増、中間財が32.9%増、資本財部品が32.2%増、消費財が29.8%増、乗用車は4.8%増加した。

上半期の仕向け地別輸出額をみると、最大の貿易相手国であるブラジル向けは前年同期比17.6%増、米国向けが49.0%増で、中国(香港・マカオを含む)向けは3.1%増にとどまった(添付資料表2参照)。原産地別輸入額では、ブラジルが37.6%増、中国(香港・マカオを含む)が48.2%増、米国が2.1倍となった。なお、これら3カ国に対しては貿易赤字が続いている。対日貿易は、輸出が49.4%増、輸入が9.7%増で、同じく貿易赤字だ。

720日付の現地紙「ラ・ナシオン」電子版によれば、輸入の拡大による外貨流出を食い止めるために、アルゼンチン政府は輸入規制を強化(2022年6月30日記事参照)している一方、一部の必需品については輸入規制を緩和している。輸入業者関係者側は「燃料などエネルギー関連の輸入が大幅に拡大していることが問題だ」と指摘している。INDECによれば、上半期の燃料・潤滑油関連品の輸入額は前年同期比で2.9倍で、価格指数は84.5%増、数量指数は57.0%増加した。他方、ロサリオ穀物取引所(BCR)は、上半期の穀物、油糧種子の輸出は14.9%増の約1914,500万ドルに達し、過去最高を記録すると予想していた(注)。アルゼンチン植物油産業会議所・穀物輸出センター(CIARA-CEC)は「上半期だけをみると、これら輸出による外貨の流入は穀物の国際価格の高騰によって過去20年間で最高を更新した。特に小麦、トウモロコシ、ヒマワリ油の輸出が好調だった」と説明した。

(注)BCRの穀物、油糧種子の定義はINDECのそれと異なるため、貿易統計(INDEC)の数値とは異なる。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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