香港最大の食の展示会「Food Expo」で日本産米おにぎりが好評、品目団体と食育ブース出展

(香港)

香港発

2022年08月22日

香港最大の食の展示会「美食博覧(Food Expo)」が81115日、香港会議展覧中心(Hong Kong Convention and Exhibition Centre)で開催され、前年開催時を上回る延べ43万人が来場した。

香港では、感染対策に伴う入境規制に緩和の動きがみられるものの(2022810日記事参照)、依然として強制隔離が義務付けられている。日本からの出展が困難な状況を踏まえ、ジェトロは、従来のBtoB商談向けの出展から、初めて消費者向けに日本産食品の啓発・普及活動を行う出展へと形式を変更。コメ輸出の品目団体である全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会(全米輸)、香港でおにぎり店「華御結(はなむすび)」を100店舗以上展開する百農社国際と連携し、「日本産米の食育ブース」として出展した。

「食育」を目的に、ブース内では関連動画を流すほか、来場者に対し、コメのおいしい炊き方や日本産米の特徴に関する資料を渡すとともにクイズを出題。楽しみながら理解を深めてもらった。さらに、クイズの正解者には「華御結」のおにぎりと、家でも簡単におにぎりを作ることができるダイソーのおにぎり作成キットを贈呈。日本産米のおいしさを実感してもらったうえで、家庭での日本産米消費の拡大につながる仕掛けを工夫した。

この形式が好評で、ブースには連日多くの来場者が集まり、用意した3,000セット(1日当たり600セット)のおにぎりと作成キットは瞬く間に配布終了となった。来場者からは、「家でも作りたいので作成キットが欲しくて並んでいる」「作成キットの使い方動画が欲しい」といった声が聞かれた。また、「華御結」のロゴの前で記念撮影をする家族連れの来場者の姿もみられ、日本産米やおにぎりに対する関心の高さがあらためて感じられた。

ジェトロブース以外では、青森県が出展し、主催者の香港貿易発展局と香港との経済交流の促進に向けた覚書(MOU)を結んだ。また、日本産品を取り扱う現地企業のブースも、多くの来場者でにぎわい、香港における日本産食品のニーズの高さを実感するものとなった。

ジェトロ香港事務所は、今後もビジネスマッチングなどを通じ、商流を構築していくとともに、食育などの取り組みにより中長期的な市場拡大も図っていく予定だ。

写真 連日大行列ができたジェトロブース(ジェトロ撮影)

連日大行列ができたジェトロブース(ジェトロ撮影)

写真 初出展した青森県のブース(ジェトロ撮影)

初出展した青森県のブース(ジェトロ撮影)

写真 日本産品を販売するブースに集まる消費者(ジェトロ撮影)

日本産品を販売するブースに集まる消費者(ジェトロ撮影)

(山崎裕介)

(香港)

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