香港、入境者に対する隔離期間を7日間から3日間へ短縮

(香港)

香港発

2022年08月10日

香港特別行政区政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は88日の記者会見で、海外から香港への入境者に義務付けている指定検疫ホテルでの強制隔離措置について、従来の最短7日間から3日間に短縮すると発表。強制隔離期間の終了後は、4日間の健康観察が求められるが、自宅または一般のホテルでの滞在が可能となる。適用は812日から。

香港政府は、海外からの入境者に対するPCR検査について、78日から指定検疫ホテルでの入境後3日目のPCR検査を追加していた(2022年7月8日記事参照)。香港政府は、新型コロナウイルス輸入症例の80%は、空港到着時と同3日目のPCR検査において検出されていると言及。以降の陽性症例の検出率は、地域社会での陽性症例の検出率を下回ったとして、今回の緩和措置の背景を説明している。

入境者は、到着日(入境0日目)と指定検疫ホテル滞在中の2日目、指定検疫ホテル退去後の4日目、6日目、9日目にPCR検査を受ける。加えて、入境後10日目まで毎日、迅速抗原検査を受ける必要がある。

健康観察期間中は、飲食店、フィットネスセンター、美容院などに立ち入ることはできない。ただし、当日の迅速抗原検査が陰性の場合には、公共交通機関の利用、出勤、ショッピングモールや百貨店、市場などへの出入りは可能。

ビジネス往来の活性化に期待

ジェトロなどが7月に実施した、在香港日系企業に対するアンケート調査(2022年7月27日記事参照)では、香港政府に対する期待(自由記述形式)について、「ウィズコロナ政策への転換」や、「入境規制の緩和」を求める回答が全体の約7割を占めており、今回の措置に対する企業側の関心は高い。現地の大手旅行代理店の関係者によると、本発表の直後から、多くの問い合わせが寄せられているという。

なお、緩和後の措置に従うと、例えば812日(金)に香港に到着した場合、同日から指定検疫ホテルで3泊を過ごした後、最短で815日(月)に指定検疫ホテルから退去し、同日から出勤が可能になる。緩和前は、7日間の強制隔離措置が適用されるために多くの企業で海外出張を見合わせていた状況に比べると、香港と海外との間の人的往来への影響はより限定的となった。今後のビジネスの活性化につながることが期待される。

(山口雅史)

(香港)

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