2022年上半期の国境貿易総額は前年同期比3.2%増
(タイ)
バンコク発
2022年08月26日
タイ商務省外国貿易局(DFT)は8月3日、2022年上半期(1~6月)の国境貿易統計を発表した。発表によると、2022年上半期のタイの陸上国境を通じた貿易の総額は、前年同期比3.2%増の8,492億9,200万バーツ(約3兆2,273億円、1バーツ=約3.8円)となった。うち、輸出は1.2%増の5,068億2,700万バーツ、輸入は6.3%増の3,424億6,500万バーツに上り、1,643億6,200万バーツの貿易黒字だった。
国境貿易のうち、近隣4カ国(マレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマー)との貿易(隣国貿易)の総額は、前年同期比20.1%増の5,338億2,000万バーツとなった。輸出は18.7%増の3,244億900万バーツ、輸入は22.4%増の2,094億1,100万バーツだった。うち、隣国貿易総額が最大だったのはマレーシアで、8.2%増の1,724億3,900万バーツだった。続いて、ミャンマーが39.0%増の1,333億6,400万バーツ、ラオスが20.3%増の1,265億5,000万バーツ、カンボジアが20.9%増の1,015億6,700万バーツの順となった。
国境を接する4カ国を通過した、第三国(中国、ベトナム、シンガポールなど)との通過貿易の総額は、前年同期比16.7%減の3,154億7,100万バーツとなった。うち、中国との通過貿易総額は31.7%減の1,202億9,100万バーツと大幅に縮小した。他方、シンガポールは9.7%増の620億9,300万バーツ、ベトナムは14.5%増の397億バーツといずれも増加した。
中国との通過貿易は、輸出が前年同期比20.5%減の774億7,100万バーツ、輸入が45.6%減の428億2,000万バーツとなった。タイから中国に通過輸出される品目は、ドリアンをはじめとする生鮮果実などが中心で、これまで堅調に拡大していたが、中国のゼロコロナ政策により国境の検疫措置が厳しくなり、中国・ラオス国境や中国・ベトナム国境では車両が渋滞するなど影響が出ている。輸入についても、中国からタイには主に磁気テープ・ディスク、コンピュータ・同部品、化学製品などが輸入されているが、検疫強化により輸送が困難となっている。
(北見創、シリンポーン・パックピンペット)
(タイ)
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