シルクロード国際博覧会が西安で開催、食品関連の日系企業など出展
(中国)
北京発
2022年08月26日
中国・西安市の西安国際会議展覧センターで第6回シルクロード国際博覧会が8月14~18日に開催された。本博覧会は、7万2,000平方メートルの会場に国際館、中国館、陕西館、農村振興館、スマート製造館、グリーン産業館の6エリアが設置された。
本博覧会の2022年主賓国であるウズベキスタンをはじめ、イタリア、日本、韓国、タイ、シンガポールなど70カ国超の国・地域から参加者があり、商談を行った。国際館の各国パビリオンでは、食品類や雑貨を中心としたPRが行われた。例えば、イタリア館ではジェラートの販売が行われるなど、来場者から注目を集めた。また、陝西省および西安市と友好都市関係にある各国地方政府の出展ブースも設けられ、日本からは茨城県、富山県、香川県、愛媛県が出展した。
ジェトロは、国際館に酒類や調味料などを中心に取り扱う中国進出日系企業など10社から成る日本館を設置した。同館に出展した小浅(上海)貿易の橋口慶太主任は「地元の参加者から海外の参加者までさまざまな方の声を直接聞くことができ、また関係をつくることもできて有益だった。沿海部と比較して、当社商品である海苔(のり)の使用方法を知らない方が多数だったが、海苔に興味を示す方も多く、自社商品PRの良い機会となった。また、本博覧会への出展を通じ、外部通販サイト内の当社店舗の会員数も大きく伸ばすことができた」と感想を述べた。
友好都市ブースに出展した、茨城県上海事務所の渡辺達彦所長は「シルクロード国際博覧会には、地元の方々への茨城県産品のPRを目的として過去に何度か出展。茨城空港-西安便の就航を契機に、さらに経済交流が活発になるよう期待している。今回の博覧会は新型コロナウイルスの感染拡大の影響から来場者が少なくなってしまったが、今回、茨城県から出展した笠間焼(注)については、来場者から『素朴で良い』『どこで購入できるのか』といった声があり、好評を得ることができた。沿岸部では日本製品の競争が激しいため、内陸部にも茨城県の独創的な商品を売り込んでいきたい」と、同県産品の販路拡大に期待を述べた。
新型コロナの影響から会期3日目に一般来場者の入場を制限
本博覧会は例年5月に開催され、前回開催時(2021年5月)は5日間の会期中に延べ16万人余りの来場があった。しかし、2022年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響から2回の延期を経て、8月の開催となった。防疫対策のため、入場時には48時間以内(出展者については24時間以内)のPCR検査陰性証明書の提示が求められた。
また、会期2日目の8月15日夜に、西安市内で感染経路不明の新型コロナウイルス感染陽性者が複数発見されたため、本博覧会は16日午前10時30分以降に一般来場者の入場を中止。また、同日午後には一般来場者への公開を中止し、オンラインでの出展者紹介に移行した。本博覧会はオフラインの会期を2日残し、実質的に16日で閉幕することとなった。
(注)茨城県笠間市で江戸時代から続く、花こう岩が風化してできた粘土からつくられる焼き物。
(草場歩)
(中国)
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