2022年上半期の農林水産物・食品輸出額、前年同期比13.1%増

(日本)

農林水産・食品市場開拓課

2022年08月17日

日本の農林水産省が85日に公表した「農林水産物・食品の輸出額」および「農林水産物輸輸出入情報」によると、財務省貿易統計に基づく2022年上半期(16月)の農林水産物・食品輸出額(確報値)は、前年同期比13.1%増の6,525億円(少額貨物輸出額361億円を含む)で、上半期としては過去最高となった。

輸出額上位3品目をみると、1位はアルコール飲料(693億円、前年同期比22.9%増)、2位はホタテ貝(387億円、67.8%増)、3位はソース混合調味料(240億円、22.1%増)となった。1位のアルコール飲料では、小売店向けやEC(電子商取引)の販売増に加え、米国などで外食需要が回復したことを受け、日本酒の輸出が大きく拡大した。また、世界的に知名度が向上しているウイスキーは、台湾、シンガポール、欧州向けの輸出が堅調だった。

輸出額上位3カ国・地域は、1位は中国(1,201億円、前年同期比18.0%増)、2位は米国(1,046億円、34.5%増)、3位は香港(917億円、10.9%減)となった。中国向けは、ホタテ貝(53.8%増)や乾燥ナマコ(調製)(4.7倍)、アルコール飲料(4.5%増)といった品目が堅調に伸び、特にホタテ貝は国内の主産地である北海道での生産が順調だったことも寄与したとみられている。米国向けも、外食需要が回復したことにより、ブリ(88.1%増)やアルコール飲料(24.2%増)の輸出が増加した。

香港は、比較可能な2001年から2020年まで日本にとって最大の輸出相手国・地域だったが、2021年に初めて中国に抜かれ、2022年上半期はさらに順位を下げ3位となった。香港向け輸出の減少品目としては、主に外食産業向けの高級品である乾燥ナマコ(調製)(33.6%減)や、貝柱調製品(29.1%減)が目立つ。香港では、20225月に飲食店の人数制限や営業時間といった営業制限が緩和されており、下半期にかけて外食需要増加による輸出増が期待される。

(川原文香)

(日本)

ビジネス短信 e94e53d17f5202bc