中国、台湾の2団体と中国の組織、企業、個人との協力を禁止

(中国、米国、台湾)

北京発

2022年08月04日

中国の国務院台湾事務弁公室(国台弁)は83日、台湾の「台湾民主基金会」(注1)、「台湾合作発展基金会」(注2)について、中国の組織や企業、個人との協力を禁止すると発表した。両基金に資金やサービスを提供した組織、企業、個人は法律により処罰するとともに、その他の必要な措置を取るとしている。

併せて、両団体に寄付を行ったいずれも台湾所在の宣徳能源、凌網科技、天亮医療、天眼衛星科技の4社と、中国の組織、企業、個人がいかなる取引、協力を行うことも禁止する。4社の関係企業の責任者について、中国への入境も禁じる。

宣徳能源はソーラーエネルギー関連、凌網科技は電子政府などのIT関連、天亮医療は医療機器関連、天眼衛星科技は位置情報などを活用した車両管理システムなどの業務を行っている。

国台弁は処分の理由として、両基金が「民主」「協力発展」の名目で、国際的に「台湾独立」活動を行っていることなどを挙げている。

なお、国台弁と同じく台湾関連の事務を主管する中国共産党中央台湾工作弁公室(注3)は82日、米国連邦議会のナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪問(2022年8月3日記事参照)したことについて、「米国と台湾が結託をレベルアップさせたものであり、非常に悪質で、重大な結果を招く」と表明している。

(注1)同基金のウェブサイトによると、2003年設立の民主主義の発展を旨とする国家レベルの財団とされている。

(注2)同基金のウェブサイトによると、1959年設立の友好国や開発途上国の経済、社会、人的資源の発展の協力などを行う組織とされている。歴代の董事長は台湾の外交機関トップが務めている。

(注3)国台弁は国務院(政府)、中央台湾工作弁公室は共産党の組織として台湾関連の業務を主管するとされているが、制度上は「1つの組織に2つの看板」をつけたもので、組織トップの主任も同一人物が務めている。

(河野円洋)

(中国、米国、台湾)

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