山東省、条例改正で育休日数など増加
(中国)
青島発
2022年08月19日
中国山東省では7月28日、「山東省人口・計画生育条例の改正に関する決定」が同省常務委員会を通過し、2022年11月1日から施行されることとなった。同条例は2021年12月に修正草案が発表され、各界からの意見を公開募集していた。
決定の主な内容は以下のとおり。
- 夫婦は原則3人まで子供を持つことができる。既に3人の子供がいる夫婦については、子供が死亡もしくは障害を抱えている場合、さらに子供を持つことが可能(現在:子供は2人まで、改正後は3人まで)。
- 国が規定した女性就業者の産休期間(98日間)に加えて、60日間の産休取得を認める(現行条例から変更なし)。女性就業者の配偶者に対しても、15日間を下回らない育休取得を認める(現在:7日間、改正後:15日間)。
- 3歳未満の子供を持つ夫婦がそれぞれ年間に累計10日を下回らない育児休暇を取得することを認める(今回の改正から新設)。
- 60歳以上の高齢者(親)が入院した場合、その子が所属する法人は介護を支援し、一人っ子の場合は年累計10日、それ以外の場合は年累計7日の看護休暇を付与する(今回の改正から新設)。
- これら増設された休暇期間は出勤とみなし、賃金や福利待遇は影響を受けない。
- 職場で産休や育休の関連規定に沿った対応が取られない場合、職員は関係部門に対して法に基づいた解決の要求、労働争議仲裁の申請、もしくは訴訟を起こす権利を有する。
現地メディアは、条例改正の背景として、結婚や教育に関する考え方の近年の変化や、子育てや教育に係る費用の増加などにより出生率が低下している現状などを挙げ、今回の条例改正には子育て環境と出生率の改善を図る狙いがあるとしている(「大衆網」7月30日)。なお、2021年8月に発表された「中華人民共和国人口・計画生育法の改正に関する決定」に伴い、同様の条例改正は山東省だけでなく全国各地で実施されている。
(西島和希)
(中国)
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