上海市、カーボンピークアウトに向け数値目標など示す
(中国)
上海発
2022年08月04日
中国・上海市政府は7月28日、カーボンピークアウトに向けた実施方案を発表した(以下、方案)。方案では第14次5カ年規画期間中(2021~2025年)、第15次5カ年規画期間中(2026~2030年)に分けて、主要目標を設定している。
まず、2025年までの目標として、単位GDP当たりのエネルギー消費量を2020年比で14%低下させるとともに、エネルギー消費総量に占める非化石エネルギーの割合を20%にする。また、単位GDP当たりの二酸化炭素(CO2)排出は、国が掲げる目標を上回る水準になるようにする。目標に向けた、第14次5カ年規画期間中の具体的な取り組みは以下のとおり。
- 産業構造とエネルギー構造を最適化する。
- 重点業界のエネルギー利用効率を向上させ、石炭消費総量を一層削減する。
- 超大都市に適応したクリーンで低炭素、安全かつ効率的な現代エネルギーシステムと、新型電力システムの構築を加速する。
- グリーン低炭素技術のイノベーションと研究開発、普及、応用が重要な進展を遂げ、グリーンな生産および生活様式が普遍的になるよう推進する。
- 基本的な循環型社会を構築し、グリーンで低炭素な循環発展政策体系の初歩的部分を確立する。
2030年までには、エネルギー消費総量に占める非化石エネルギーの割合を25%まで引き上げるとともに、単位GDP当たり二酸化炭素排出を2005年比で70%減少させる。これによって、2030年までのカーボンピークアウト達成を確保する。第15次5カ年規画期間中の取り組みは以下のとおり。
- 産業構造とエネルギー構造の最適化・グレードアップが大きな進展を遂げるようにする。
- クリーンかつ低炭素、安全かつ効率的な現代エネルギーシステムと新型電力システムの基本を確立させる。
- 重点分野の低炭素発展モデルの基本形成。
- 重点業界のエネルギー利用効率を国際的にみても先進的な水準にする。
- グリーン・低炭素技術のイノベーションが画期的な進展を遂げるようにし、簡潔かつ適度なグリーン生活様式を全面的に普及させる。
- 循環型社会の発展レベルを顕著に向上させ、グリーンで低炭素な循環発展政策体系の基本を構築する。
こうした目標に加え、方案では、エネルギーグリーン低炭素転換行動、省エネルギー、炭素削減、効率化行動などを重点任務とした、カーボンピークアウト10大行動を推進するとしている(詳細は添付資料参照)。
(高橋大輔)
(中国)
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