上半期の貿易は過去最高、中国のゼロコロナ政策の影響は軽微

(マレーシア)

クアラルンプール発

2022年08月18日

マレーシア統計局は728日、2022年上半期(16月)の貿易統計を発表した。貿易総額は前年同期比28.2%増の13,551億リンギ(約406,530億円、1リンギ=約30円)だった(添付資料表1参照)。輸出額は7,391億リンギ、輸入額は6,160億リンギと、ともに2桁増加した。貿易収支の黒字額は6.7%増の1,231億リンギだった。輸出入額、貿易黒字額ともに、半期としては過去最高額を記録した。

輸出を品目別にみると、新型コロナウイルス禍で加速するデジタル化の影響で、全体の4割弱を占める電気・電子製品が2,829億リンギと前年同期比で32.4%増加し、引き続き好調だった(添付資料表2参照)。同品目の半分強を占めた集積回路が36.6%増の1,455億リンギに増加した。パーム油・同製品が55.3%増の710億リンギ、精製石油製品が59.6%増の587億リンギ、液化天然ガスが73.5%増の289億リンギと、いずれも堅調だった。

国・地域別にみると、輸出では、シンガポール向けが前年同期比3割増の1,065億リンギで、中国を上回り首位に浮上した(添付資料表3参照)。次いで、中国(13.7%増の1,010億リンギ)、米国(16.5%増の793億リンギ)、日本(23.8%増の461億リンギ)、香港(22.5%増の436億リンギ)が続いた。これら上位5カ国・地域向けの輸出が全体の約半分を占めた。日本向け輸出では主に液化天然ガスが増加に寄与した。

輸入では、中国が18.7%増の1,313億リンギで、引き続き最大の輸入相手国となった。シンガポールが50.7%増の652億リンギで2位だった。台湾、米国からの輸入もそれぞれ2桁増加した。日本からの輸入は8.0%増の400億リンギで5位だった。

四半期ごとの輸出増減率をみると、2022年第1四半期(13月)と比較して、中国と米国を除いた上位貿易相手国・地域向け輸出寄与度がそれぞれ拡大した(添付資料図参照)。

長期化する中国のゼロコロナ政策について、アズミン・アリ国際貿易産業相は、6月にかけて貿易が好調であることに鑑みて、現時点でマレーシアへの影響は小さいと楽観的にみている。同大臣は、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が3月に発効したことも追い風になったと評価した(727日付ベルナマ通信)。

(エスター頼敏寧)

(マレーシア)

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